AdRollは、日本全国のマーケターを対象に実施した「State of Performance Marketing」を発表した。
AdRollは、全国のマーケター200名を対象にマーケターへの意識調査「State of Performance Marketing」を実施。その結果に独自の考察を加えてレポートにまとめた。以下にそのポイントを紹介する。
プログラマティック広告は、認知度、予算配分ともに大きな伸びを見せた。2015年の調査で74%のマーケターが「プロフラマティック広告ではない/わからない」と回答したのに対し、2016年の調査では79.5%のマーケターが「プログラマティック広告を知っている」と回答。さらに、全てのマーケターがなんらかの形でプログラマティック広告に予算を割いていることが明らかにった。特に日本のマーケターは海外に比べてもプログラマティック広告に対する期待が高く、81.5%のマーケターが「従来のメディア買い付けよりも投資対効果が高くなる」と回答している。
日本では、他の種類のデジタル広告と比べてもリターゲティングに予算を費やすマーケターが多く、2016年は約4人に1人が予算の25〜50%をリターゲティング広告に使用すると回答。2017年にはマーケターの70%が予算の増加を予定しており、リターゲティング広告に予算配分が集中する調査結果となった。
日本では34%のマーケターがリターゲティング広告の目的に「ブランド認知」を挙げている。これは、リターゲティング広告が「すでに広告主のサイトに訪れたことのあるユーザー」へ配信する広告であるということを考えると不思議な結果だが、米国やAPACで「リード獲得」や「リード育成」という回答が多かったことを参考にすると、日本のマーケターが言う「ブランド認知」には「リード獲得」や「リード育成」の意味合いも含まれていると推察される。
またマーケターの2人に1人がリターゲティングに関するホットなトピックスに「ソーシャルメディア」を挙げる。
日本のマーケターの84%が「パーソナライズしたダイナミックなメールマーケティングを実施している」と回答しており、従来の一括送信から変革の時期を迎えていることが分かる。その目的として、日本では多くのマーケターが「リードの獲得」を挙げ、米国と類似した結果となった。それに対してAPACでは「ユーザーの教育」を目的にするマーケターが多いという結果になっている。APACでは顧客満足度やリテンション施策を行う前に、まず企業や商品・製品を理解してもらうキャンペーンにもメールを活用している。
一方、メールマーケティングの課題として、多くのマーケターが「他の種類のマーケティング施策と統合できていない」と感じている。ほとんど、あるいはまったく統合していないという回答が、全体の約30%を占める結果となった。
アトリビューションとは、パフォーマンスを評価する際にリターンがどのような源泉から生み出されたのかを明らかにする分析手法。直接成果につながった流入経路や広告、成果に至るまでの各接触履歴などを解析し、顧客接点ごとに成果への貢献度を測る手法として使われておりマーケティング施策が成功したか否かを測定するのに不可欠なもの。
このアトリビューションへの興味はどの地域を取っても増加しており、米国では68%、APACでは79%、日本では80%のマーケターがアトリービューションを「重要」もしくは「極めて重要」と回答。特に日本では、前年まで約半数(45%)のマーケターがアトリビューションを「全く重要ではない」もしくは「トラッキングしてない」と回答しており、この1年で興味関心が急激に成長していることが分かった。
興味関心の急激な成長が予算配分にも現れており、53%のマーケターが、マーケティング予算の10〜50%をアトリビューションに費やしていると回答している。
調査会社:Qualtrics
調査対象:(日本)全国のマーケター200名(B2C:63名、 B2B:137名/代理店:112名、 メーカー:88名)/(グローバル)アメリカ・ヨーロッパ・APAC・日本のマーケター全2,352名
調査期間:2016年12月
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