広告のインパクトを考える時、ビジュアルイメージの重要性は無視できない。しかし、ビジュアルイメージが人々に「どのくらいのインパクト」を与えたのか、数字に置き換えることはなかなか難しい。本連載コラムを通じて、ゲッティ イメージズ ジャパン 土屋淑恵氏がそんな悩ましい問題に取り組む。
言葉が伝達手段であることは、誰もが認識していることだと思います。では、写真や動画が時には言葉を凌駕するメッセージを伝え得るということについてはどうでしょうか。 クラシックな研究をいくつか紐解くと、五感の優先度については視覚が8割、聴覚が1割、そのほかをあわせて1割というのが有力だそうです。また、話者が聴衆に与えるインパクトを数値化したメラビアンの法則でも、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%と言われています(注1)。
注1)「グローバル化を実現するビジュアルコミュニケーション」(CMOWorldwide 白書、閲覧には登録が必要です)
1枚の写真、1本のビデオが、事実を超えたメッセージとなって人の気持ちを動かし、伝播して、社会さえも動かす例を、私たちは多く目にしてきました (注2)。その背後には、人の知覚、時代の流れ、文化など、複雑な要素が混在しています。本連載では、写真やビデオ、つまりビジュアルイメージの特徴とその価値を語るとともに、デジタル時代のビジュアルイメージの活用方法などを3回に分けてお話ししたいと思います。
注2)2010年に米Getty Images CEO ジョナサン・クラインがTEDで講演した6分のビデオ
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