Adobeは、デジタルマーケティング分野の年次カンファレンス「Adobe Digital Marketing Summit 2012」を開催。オープニングセッションでは「パーソナライズ」に主眼を置いた同社のマーケティング製品戦略と、3つの新製品が紹介された。
米国時間の3月20日、周囲の山々にまだ雪が残るユタ州ソルトレイクシティにて、米Adobe Systemsのデジタルマーケティング分野の年次カンファレンス「Adobe Digital Marketing Summit 2012」が、約4000人の聴衆を集めて開幕した。
2日目に開かれたオープニングゼネラルセッションでは、同社デジタルマーケティングビジネスユニット担当シニアバイスプレジデント兼GMのブラッド・レンチャー氏が登壇。「パーソナライズ(顧客ごとに最適化したコンテンツを提供すること)」に徹底的に重点を置いた同社のマーケティング製品戦略について語った。
セッションの冒頭で、レンチャー氏は「かつて“Webマスター”という役職があったことを覚えているか?」と聴衆に問う。同氏によれば、従来型の企業において、Webはバックオフィスの一部の人々しか関わらないようなものだったという。「それが今、ここに集まった人たち全てがWebに関わっているはずだ」(レンチャー氏)
このような時代の変化の中、消費者のWebとの関わり方も大きく変化したとレンチャー氏は言う。その1つの大きな波がソーシャルメディアの普及である。いまや、人々がどのような人間で、何に関心を抱いているかといった情報は、デジタルデータとしてソーシャルメディア上に保存されるようになっている。
「保存されたデータはユーザー自身のためになる」とレンチャー氏。例えば同氏自身も、ソーシャルメディア上の自分の生活データを基に「いつスポーツのトレーニングを行うべきか」といったリコメンドサービスを活用しているという。
こうした中、2009年の米Omniture買収以来デジタルマーケティング分野の事業強化を進めているAdobeが示す重点事項が、前述の「パーソナライズ」である。
「企業がデジタルマーケティングを行う上では、パーソナライズが重要だ。この話を聞くと、あきれて目を丸くする人もいるかもしれない。だが、今が昔と違うのは、消費者自身がパーソナライズによって優れたWeb体験を求めているということだ」(レンチャー氏)
では、企業が実際にパーソナライズしたマーケティング施策を行うためにはどうするべきか。レンチャー氏は「データ」「コンテンツ」「最適化」という3つの柱を提唱する。つまり、アクセス解析やソーシャルメディア解析などのツールによって顧客のデータを取得し、顧客ごとの属性や環境に最適化したコンテンツを提供するということが肝要だという。
「企業が適切なコンテンツを適切な顧客に提供できるようにすること。それがAdobeが行っていることだ」とレンチャー氏。そこで同氏はセッション内で、この方針をさらに強化することになる3つの新製品を発表した。
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