GoogleはDOJの承認を受け、ディスプレイ広告企業Admeldの買収を完了し、パブリッシャー向けの新たなサービスを立ち上げると発表した。
米Googleは12月2日(現地時間)、同社が6月に発表した米ディスプレイ広告企業Admeldの買収を、米司法省(DOJ)が承認したと発表した。同省はこの買収について、独禁法の観点から調査していた。
Admeldは、Webパブリッシャーと広告主向けに、オンラインの広告ネットワークおよび広告取引市場(Ad Exchange)の利用を管理するツールを提供している。2010年の同社の売上高は3000万ドル。
買収総額は公表されていないが、米Wall Street Journalによると約3億ドルに上るという。GoogleはAdmeldの広告管理サービスや技術をDoubleClickやAdMobに取り込むことで、より柔軟に使える広告管理ツールを顧客に提供できるようになるとしている。
DOJは「調査の結果、この買収がディスプレイ広告販売市場における競争を大きく損なう恐れはないという結論に達した」と発表した。
Googleは検索広告市場で首位を維持しており、ディスプレイ広告市場でもDoubleClickの買収などによってシェアを拡大している。米調査会社IDCによると、2011年第1四半期(1〜3月期)には同市場でも米Yahoo!を抜いて首位に立った。
同社の大型買収では、近いところでは航空運賃の検索・比較サービス企業ITA Softwareや米Motorola Mobilityの買収がDOJの独禁法関連の調査対象となっている。ITAの買収は条件付きで承認されたが、Motorolaの調査は継続中だ。
Googleは、当面はAdmeldをDoubleClickと同様に独立したサービスとして運営するが、将来的には統合していき、新たなソリューションも開発していくとしている。
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