新規事業が難しいのは採算性だけでなく、告知の問題もあります。内容をどのように充実させようとも、見込み顧客に知られなければ、存在しないのと同じ。そこで今回はプロモーション活動を図解思考で整理してみました。
先日、我が社で「肌ログ」という新規事業がスタートしたことをお伝えしました。女性にとってか欠かせない美肌アドバイスをスマートフォンに毎日届けるという、いわばWeb上のフリーペーパー発行スタンドです。
前回は、新規事業の採算性の話でしたが、今回は販促キャンペーンについて。新サービスの内容をどのように充実させようとも、見込み顧客に知られなければ、存在しないのと同じです。そこで、この『肌ログ』のプロモーション活動を一般的な商品のキャンペーンでも使えるように図解思考で整理してみました。
ひと口にキャンペーンといっても、広告、口コミ醸成、PRなどの「集客」、問い合わせや資料請求などの「見込み顧客の獲得(リードゲット)」、商品を「購入(コンバージョン)」、購入後に「リピーター」になってもらう――。というように、キャンペーンの流れをしっかり作る必要があります。その「流れ」に対して、各部署がどのような役割を担うのかをまとめるのがポイントです。
キャンペーンの概要は以下の通りです。
これらの活動を、図解思考を使ってまとめます。今回は、絵文字を積極的に使ってみましょう。人、メール、パンフ、検索(虫眼鏡マーク)、口コミ(波及マーク)などは、文字の代わりにアイコンを使ってみます。
活動ごとに担当部署が異なるため、組織図で表現。広報は口コミとプレス発表どちらも担当するので、さらに分岐させました。
まず、プロモーションのチャネルごとに分類して流れを描きます。例えば「広告は代理店を通じて、雑誌と新聞に掲載する」という具合です。各チャネルの最後に、ユーザ認知を広げる意味で「波マーク」を共通で入れ、口コミや情報の伝播をイメージさせます。
最終的に各チャンネルの活動目的はユーザにキャンペーンキーワードを検索させることを目標とします。よくある「●●で検索!」というやつです。そして、マーケティング部は、特設サイトを作り、そこでキーワードを検索してきたユーザを誘導します。
資料請求、あるいは商品購入してもらうことが目的です。資料請求はパンフレットを送り、商品購入の場合は、フォローレターとしてメールマガジンを定期的に配信することにします。2つのアクションは、その後の対応が変わるので、分岐して表現します。
最後に全体をチェックし、ヌケモレを確認しましょう。各チャネルでの集客が、ある特定のキーワードの訴求となって、特設サイトに誘導される流れがしっかり理解できるようになっているでしょうか?
今回のように、役割分担、活動内容、各活動がどのようつながって1つのゴールを目指すのかを明確にできると、プロジェクトメンバーの頭もスッキリし、成果も上がるはず。プロジェクト開始時に、こうした図解で理解と目的を共有し、全員のマインドセットをうながしましょう。
パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。
「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
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