「AIネイティブ世代」の誕生 10代のAI活用度合いは?AIと暮らす未来の生活調査2024

博報堂DYホールディングスのHuman-Centered AI Instituteは、AIに対する現状の生活者意識や利用状況などに加え、将来的な期待や意向などを明らかにすることを目的に調査を実施した。

» 2024年11月29日 09時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 博報堂DYホールディングスのHuman-Centered AI Instituteは、2023年度に続き2回目となる「AIと暮らす未来の生活調査」を実施した。今回の調査結果からは生活者への生成AI関連サービスの急速な浸透や、AIが公私含めさまざまな活用がされていること、AIに期待されている事柄などが明らかになった。

年代別に見た生成AIの活用度合い

 今回の調査では、生成AI関連サービスを月1回以上利用する人を「利用層」、生成AI関連サービスの存在を知っている人を「認知層」、生成AI関連サービスの利用頻度はあるものの頻度が2〜3カ月に1回程度かそれ以下の人を「過去経験層」と定義している。

 全体の状況を見ると、認知層が55.7%、利用層が17.9%で、2023年度調査結果と比較していずれも大幅に増加した。

生成AI関連サービスの認知および利用経験(画像提供:博報堂DYホールディングス、以下同)

 利用層に対して実際の利用用途を聞いたところ、2024年から新設された「文章作成・文章処理」が1位(50.6%)となり、次いで「業務の効率化」(49.5%)、「翻訳作業」(49.4%)、「アイディア出し」(47.7%)と続いた。2023年度調査結果と比較すると、「アイディア出し」「業務の効率化」「文章・記事・ドキュメント要約」の用途が特に増加している傾向が確認できる。

 AIの仕事・学業での利用とプライベートでの利用の割合を聞くと、「プライベートでの利用が多い」と答えた人は40.2%で、「業務や仕事・学業で利用することが多い」と答えた人は36.5%だった。2023年度調査結果と比較すると、仕事や学業での利用が増加している。

生成AI関連サービス利用層のサービス利用用途

 AIの活用度合いについて、10代は男女ともに「AIを使いこなしている」と自認している割合が63.6%と全世代平均(20.3%)と比較して特に高いことが明らかとなった。

10代はAIネイティブ世代

 AIに関する将来の期待を利用層と利用者を含む全体と分けて調べると、生成AIへの高い期待や具体的に任せたい仕事が見えてきた。

 全体では「AIによって業務の効率化は進む」(71.5%)、「AIを仕事で使いこなすために、どこから手を付けていいのかわからない」(71.0%)、「AIのよい使い方(効果的な使い方)がよくわからない」(70.8%)、「AIはインターネットよりも社会に大きな影響を与える」(69.3%)などが上位に並んだ。

 一方で利用層は「生成AIの使い方をもっと知りたい」(78.4%)、「AIによって人間とAIの新たなコラボレーションが生まれる」(76.7%)、「AIはインターネットよりも社会に大きな影響を与える」(75.5%)と考えており、新たな価値創出への期待が高い。

AIへの将来意識

 技術の急速な進化に対する戸惑いや懸念がある一方で、AIがもたらす新しい可能性や利便性に対する興味や希望も無視できないものとなっている。生活の中でもAIが果たす役割は今後ますます大きくなると予想され、そうした期待が広がっていることがうかがえる。

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