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» 2017年08月01日 08時00分 UPDATE

【連載】電通デジタルが考えるB2Bマーケティングにおける広告アプローチ 第3回:でも、お高いんでしょう?――B2Bマーケティングの広告コストについて (1/2)

前2回では、ターゲットに自社の商材やサービスについて知らせることの重要性とその伝え方についてお話しました。今回はそのようなマーケティング活動の効果を検証するための指標と投資コストの妥当性について説明します。

[小倉 夏,電通デジタル]

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寄稿者紹介

小倉 夏

おぐら・なつ 電通デジタル ソリューションプランニング事業部。プランナー。入社以降マーケティング部門にて建設、金融、製造業などにおけるB2Bクライアントのマーケティングサポートに取り組む。現在はマーケティング戦略立案、施策設計、制作、広告運用に従事。また、電通デジタル自身のリードマネジメントの運用にも関わる。


 マーケティング領域において投資コストの妥当性を判断するには、ROI(投資対効果)という指標が用いられます。B2Cにおいては売り上げを構成する要素を比較的特定しやすく、投資に当たる広告やプロモーション施策の効果が目に見えやすいため、測定されたROIを軸に次年度の予算策定や予算配分の策定に役立てることが一般的です。

 一方でB2Bにおいては、基本的な考え方は同様ではあるものの、自社のマーケティング活動がB2Cに比べて非常に複雑です。前々回「『B2Bに広告は不要』って本当でしょうか?」において、B2B企業が広告に消極的であった理由として「ターゲットが限定的であり広告を打っても無駄だと思われていること」と「誰に対して広告を打てばよいか分からないこと」を挙げましたが、結局のところ施策のROIが見えにくいという点で、B2B企業は広告投資を敬遠してきたともいえるのではないでしょうか。

B2Bマーケティングの複雑性

 B2Bにおけるマーケティングが複雑である理由はこれまでにも触れられていますが、大きくは以下の3点に集約できると考えています。

 まず第1に、購買が組織的に行われ複数の人間が意思決定に関わるという点です。その上、購買を担当するプロジェクトチームは複数の国をまたがって編成されていることも多く、施策の効果を特定することが難しいといえます。

 第2に、検討から購買の意思決定が長期的に行われるという点です。商材によっては単価が非常に高く、数年という期間をかけて検討されるので、施策に対してすぐに売り上げが上がるということはB2Bでは起こりにくいのが現状です。

 第3に、多くのB2B企業において、受注に至るまでには営業担当者によるクロージングが欠かせないという点です。売り上げが伸びたのはマーケティング施策の効果なのか、それとも営業努力なのか、明確に判別することは、実際には困難ではないでしょうか。

 このように、B2Bにおけるマーケティング活動は非常に複雑です。しかし、だからこそ投資とそれに対する効果をより細かく、丁寧に見ていく必要があります。

 では、具体的には何を見ていけばよいのでしょうか。ここでは広告を中心に検討する際にネックになりがちな問題を3点挙げながら、B2Bマーケティングの広告コストについての考え方を述べます。

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