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» 2012年10月19日 08時00分 UPDATE

【連載】メールマーケティングの最前線:第1回 最新国内メールマーケティング事情 (1/2)

メルマガからメールマーケティングへ――。企業におけるメール活用のトレンドは、単なる情報提供からダイレクトマーケティングへの展開へと進化しつつある。メールマーケティングを巡る最新動向をエイケア・システムズの北村伊弘氏がシャープにまとめる。

[北村伊弘,エイケア・システムズ]

メルマガからメールマーケティングへ――それぞれの本質を理解する

 1990年代後半から十数年間、メール配信の業界に携わってきて感じるのは、ここ数年で企業におけるメール活用のあり方に変化が生じているということです。その変化を端的に言うならば、「メルマガ」から「メールマーケティング」へ取り組みのシフト、ということではないかと思います。第1回の今回ではまず、「なぜ今になってそのような変化が生じているのか」、あるいは、「それがどのような必然的な背景に基づいているのか」を紐解くことから始めたいと思います。

 「メルマガからメールマーケティングへ」というからには、最初にメルマガとメールマーケティングとでは何が違うのかを明らかにしなければなりません。最近では、両者が意識的に使い分けられることも増えましたが、少し前は「メールマーケティング=メルマガ」と混同されることも相当多かったように思います。もちろん、メルマガの配信はメールマーケティングの一手法だとも言えるのですが、そもそもメールマーケティングとメルマガとはそれぞれ異なる背景から生まれており、本質的な目的において相容れない部分があります。

 そもそもメルマガが普及した背景には、まぐまぐなどに代表されるメルマガスタンドの盛り上がりがあります。メルマガスタンドとは、個人が自分の好きなテーマでメールマガジンを発行することができ、また、その内容に興味を持った人であれば誰でもメールマガジンを購読することができる、といったサービスです。メルマガの発行者である個人が、全く知らない不特定多数の人々に情報を発信することができるという、ブログが登場した際にも言われてきた同じことが、1990年代後半のメルマガスタンド登場の際にも言われ、現にメルマガスタンドのサイト上では、購読者数の多さに基づいたランキング表示などもされており、「不特定の購読者数をいかに増やすか」というモチベーションこそがメールマガジンを流行らせた原動力になっていました。

 当初メルマガスタンドは個人の情報発信手段としてスタートしましたが、その後、インターネットを活用し、消費者へダイレクトに情報を伝達したいと考えていた企業にとって、プッシュ型で情報発信が行える有効な手段として注目されるようになり、多くの企業がこぞってメルマガを発行するようになりました。

 ここで改めて注目しなければならないのは、メルマガの本質が、「できるだけ多くの不特定の人々に情報を伝えることにある」ということ、つまり、メールマガジンを発行するということは、登録者に分け隔てなく同じ情報を届ける(一斉同報配信)、いわば、分け隔てのないサービスという側面が強いということです。

 これをさらに後押ししたのが、メルマガスタンドの機能上の制約です。メルマガスタンドにおいては、購読者の情報はメルマガスタンドを提供する会社に帰属され、発行者である企業は、保有はおろか購読者がどういう人達であるのか、その把握すらもできませんでした。すなわち、メルマガスタンドを活用する以上は、必然的に全員に同じ内容のメールを送ることしかできず、一斉同報で配信する内容の改善という、最大公約数的な効果を狙う工夫以外に方法はありませんでした。

 一方、メールマーケティングとは何か。メールマーケティングは、いくつかの観点から捉えられますが、一般的には、米国に起源を持つダイレクトマーケティングの一手法として理解されます。ダイレクトマーケティングは、不特定の対象へのアプローチに終始するのとは異なり、「対象の特定」が考え方の基本にあり、その観点に基づいたメールマーケティングとは、配信の都度対象の選択を行いながら、同時に各対象へタイミングと内容を最適化させていく、といった非常にきめ細かなアプローチだと言えます。つまり、言ってみれば「対象それぞれにおける差別化をいかに図るか」ということが重要になります。

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