ワークマンのアプリが「あえてデータを取らない」理由 「地に落ちた顧客満足度」を引き上げられるか(3/3 ページ)

» 2025年12月26日 06時00分 公開
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リリース当日に「2万」ダウンロード アプリ経由の売り上げも好調

 アプリのダウンロード数は、リリース初日に2万件を記録して以降も、想定以上の数値で推移しているという。アプリについて大々的な告知や広告などは特に展開していないが、店頭のPOPやQRコード、コーポレートサイトのバナーなどを通じてアプリを知ってダウンロードする人が多く、「当社の情報をいつも取りに来てくださっているファンが多いことを感じています」と、荻原氏は語る。その感触の通りに、週に数回送信するプッシュ通知への反応が良く、頻繁にアプリを訪れるアクティブユーザーも多い。

 11月のアプリの閲覧数は100万以上で、閲覧数が多いのは、やはり製品情報だ。特に発信の優先順位が高い情報は大きなバナーで表示しており、そこに掲載された製品の情報は、狙い通り特に多くのユーザーに閲覧されているという。また、GPSを活用した店舗検索も多くの利用が見られている。

 実際に利用した顧客からは、「在庫の確認が楽になった」と喜ぶ声が聞かれるなど、反響も多く得られている。その一方で、自社開発ゆえに至らない点もあり、もっと動作をスムーズにする、アプリそのものの用途を分かりやすくするといった課題も見えてきた。

 アプリの利用者は、30〜50代が多く、男女比はほぼ均等。この分布はメルマガの購読者と変わらないが、意外にもメルマガの購読者とは異なる人がアプリをダウンロードしていることが分かっている。

 「メルマガは、ECで作業服をまとめて購入される法人のお客さまの登録も多いのですが、アプリでは当社の製品をカジュアルシーンで利用される一般のお客さまが増えているのかなと予想しています」(荻原氏)

 リリース直後には、2024年に話題となってオンラインストアで2万点が4日で完売した「XShelter断熱ウェア」と、累計販売数が170万点を突破したリカバリーウェア「MEDIHEAL」のアプリ先行予約を実施。「XShelter断熱ウェア」は2024年の2.5倍となる5万点、「MEDIHEAL」は14万点を用意した。その結果、一番人気のアイテムは4日で完売と、想定以上の売れ行きに。最終的には、「XShelter断熱ウェア」と「MEDIHEAL」の合計で約6万点の販売につなげた。

若者が働きたくなる服、働きたくなるアイテムをそろえることで既存顧客の満足度を上げていきたい方針。10月には、EXILE TAKAHIROさんがモデル&監修した限定アイテムを販売した(プレスリリースより)

生産体制の強化との両輪で、顧客満足度の向上へ

 今後、アプリは改良を重ね、在庫を見られる製品の種類を増やしたり、近隣の店舗を一気に表示できるようにしたりと、より見やすく、使いやすくしていく方針だ。

 ワークマンはアプリのほかにも、顧客満足度の向上施策として、新たな流通センターの建設を予定している。現在は国内3カ所の流通センターから商品を供給しているが、それでは追いつかなくなってきたため、約300億円の投資をして約2万5000坪規模の流通センターを国内2カ所に建設。2027年と2028年に稼働を開始し、人気製品を安定的に供給できる体制を整えていく見通しだ。

ワークマン 広報部 チーフ 松重尚志さん(写真左)、営業企画部 マーケティング戦略グループ マネージャー 荻原勇太さん(写真右)
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