世界有数の広告会社であるPublicis Groupeが、独立系の共通IDソリューション企業であるLotameの買収を発表した。
2025年3月6日(フランス時間)、Publicis Groupe(以下、Publicis)はLotame Solutions(以下、Lotame)の買収を発表した(買収金額は非公表)。Lotameは109カ国で事業を展開しており、16億以上のIDと100以上のデータソースを基盤とする、世界でもトップクラスの独立系グローバルデータマーケットプレイスおよびアイデンティティソリューション企業だ。この買収により、Publicisはグローバル規模でのデータ活用能力をさらに強化し、デジタルマーケティング分野での競争力を高めることを目指している。
広告業界ではここ数年、プライバシー規制の強化に伴い脱サードパーティーCookieの流れが加速している。この状況下で企業は、ターゲティングと計測を目的としたアドレサビリティー(宛先を指定する能力)確保のために、ファーストパーティーデータの活用やCookie代替手法への移行を迫られている。Lotameが提供する共通IDソリューション(推定ID)の「Panorama ID」もその一つで、世界の4000以上の主要ブランドとパブリッシャーが活用している。
Publicisの23億のグローバルプロファイルをLotameと組み合わせることで、広告主は消費者プライバシーを保護しながらも精度の高いターゲティングを実現し、インターネットを利用する成人の91%に相当する約40億のユニークプロファイルに対してパーソナライズされた広告メッセージを届けることが可能になる。EpsilonとLotameの連携によるメリットは以下の通りだ。
Lotameはこれまで日本でも、大日本印刷(DNP)やGesherとの協業を通じてCookieレス広告ソリューションを展開してきた。Panorama IDは、日本企業がプライバシー規制に対応しながら広告効果を維持するための重要なツールとなっている。この技術がPublicisのグローバルネットワークと融合することで、例えば世界への市場拡大を狙う広告主にとっては大きなシナジー効果を生むと考えられる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.