電通が第3回「サステナブルカスタマー調査」を実施。調査結果から、サーキュラーエコノミーに注目し、持続可能な社会の実現をけん引する顧客群「サステナブルカスタマー」の特性が明らかになった。
電通は、持続可能な社会の実現を目指し、サーキュラーエコノミー(廃棄されていた製品や原材料を新たな「資源」として捉え、廃棄物を極力出さずに資源を循環させる経済の仕組み)に積極的な顧客層の特性を把握することを目的に、3回目となる「サステナブルカスタマー調査」を実施した。
事前調査では、商品の継続的購入と資源のリサイクル活動・回収活動への参加経験に基づき、生活者を以下の4種類に分類した。
その後、本調査(対象者:4種類のカスタマーを性別・世代ごとに均等割付した全国15〜79歳の1200人、調査期間:2024年10月15日〜10月16日)を通じて、購買行動における意識や商品の選定基準、リサイクル活動・回収活動へのモチベーションなどを調査した。
今回、事前調査で継続購入ブランド(飲料、食品、化粧品など10カテゴリ)が5つ以上あり、リサイクル活動・回収活動に参加した製品が1つ以上あった生活者を「サステナブルカスタマー」と定義した。事前調査の対象となった全国15〜79歳の生活者1万人のうち、全体の19.5%がサステナブルカスタマーに該当することが判明した。この層は世代別では特に40代(18.4%)と70代(18.6%)で多い傾向が見られた。
「サーキュラーエコノミー」に関する認知率は8.5%だった。そのうち内容を具体的に理解していると答えた人は2.0%にとどまった。一方で、サステナブルカスタマーにおいては認知率が全体よりも高い傾向が見られた。
関心の高い社会課題は、全体では「自然災害」「気候変動」「少子化・高齢化」などが上位を占めたが、サステナブルカスタマーは「持続可能性(SDGs)」や「再生可能エネルギーの普及」に対する関心が特に高く、それぞれ全体平均を10ポイント以上も上回った。
サステナブルカスタマーで顕著に多かったのが、再生プラスチックへの支持だ。再生プラスチック製品が購入の後押しになると答えた割合は、全体では36.6%だったが、サステナブルカスタマーでは53.7%に及んだ。サステナブルカスタマーの環境配慮型製品に対する意識の高さがうかがえる。
リサイクル活動・回収活動の動機付け要素として、サステナブルカスタマーにおいては「回収量やCO2削減量の可視化」や「寄付が可能になる仕組み」などの非金銭的インセンティブが、全体平均よりも高く評価された。
サステナブルカスタマーは非金銭的インセンティブに後押しされ、循環型消費行動を実感している。電通の調査担当者はその理由を「社会貢献活動への参加が自己肯定感を高めると考えていることや、環境保全が将来世代への投資と考える価値観を持っていること」と推察している。
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