これはキモい! Tinderのプロフィールに「汚い鼻水の塊」を登場させた風邪薬ブランドは何をたくらむ?Marketing Dive

モバイルファーストのこのマーケティングキャンペーンでは、ブランドキャラクター「Mr. Mucus」がデートアプリのお約束ネタに乗っかって、人肌が恋しい季節に合わせたプロモーションを展開する。

» 2024年10月24日 08時00分 公開
[Peter AdamsMarketing Dive]
Marketing Dive

 Reckitt Benckiser Group傘下の市販薬ブランドであるMucinexは、夜間用風邪薬「Mucinex Nightshift」のプロモーションのため、「No Regrets(後悔するな)」と題したキャンペーンを展開し、おぞましいマスコットキャラクター「Mr. Mucus」をデートアプリの「Tinder」に登場させている。

 Tinderユーザーはスワイプ中にMr. Mucusのプロフィールに遭遇して悪寒を催すかもしれない。このプロフィールには、陳腐な口説き文句や典型的な男性デート写真が掲載されている。魚を抱えている写真もある(※)。キャンペーンは、12月まで展開する予定だ。

※編注:Tinderに登録する男性はなぜか釣り上げた魚と一緒に写っている写真をプロフィール画像にしていることが多いと、しばしば話題になる。それを受けてTinderはエイプリルフールネタとして「会員プロフィールから魚の写真を即時削除すると発表」というウソのプレスリリースを出したことがある。

「汚い鼻水の塊」がデートアプリに出現、その狙いは?

Mr. MucusのTinderプロフィールは、魚を抱えた写真を投稿するなど、デートアプリの定番パターンを踏襲している

 Mucinexは、風邪をばら撒くことを楽しむ「汚れた鼻水の塊」であるマスコットキャラクターのMr. MucusをTinderに解き放ち、Mucinex Nightshiftの認知を広めようとしている。このキャンペーンは、風邪とインフルエンザが流行し、かつクリスマス前に人肌恋しくなる季節の到来に合わせて展開される。キャンペーンの根底にあるアイデアは、「夜に後悔しない良い決断をしよう」というもので、これは風邪をひいたときに薬を飲むことにも、恋愛を追いかけることにも共通するアドバイスである。

 Mr. Mucusのプロフィールは、Tinder上でスワイプ可能な広告として登場し、実際のアカウントをまねしたものとなっているが、これがなかなか痛い内容だ。写真一覧には、魚を抱えている姿の他、クラブで汗をかいている姿、ジムでシャツを脱いで筋トレしている姿などが並ぶ。「今日の大物は僕さ……。風邪とインフルエンザの症状がね!」などという口説き文句まで用意されている。

 また、Mr. Mucusは、Mucinexのスポークスパーソン役としてモデルのカミー・クロフォードを起用している。クロフォードがMr. Mucusとお見合いをして、彼が付き合うに値する男かどうかを見極める企画も用意されている。クロフォードは、オンラインデートのプロフィールのウソを暴く番組「Catfish: The TV Show」の元共同ホストだ。消費者はこのデートのなりゆきをInstagramおよびTikTokのアカウント(@MrMucusOfficialと@KamieCrawford)で追いかけることができる。

 このモバイルファーストのマーケティング活動はMucinexのPR代理店であるLegendが担当した。

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