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» 2018年08月21日 14時00分 公開

デジタル化の未来と求められる営業・マーケティング変革:アクセンチュアが提唱、成果を出すためにB2Bマーケターは「やりたいこと」をいったん捨てよ (1/2)

アクセンチュアの矢野一路氏による講演「デジタル化の未来と求められる営業・マーケティング変革」の概要を紹介する。

[高橋ちさ,ITmedia マーケティング]

 デジタル変革の波は企業のあらゆる部門に押し寄せている。

 隣接する業務領域においては、これまでの部署間の関係や役割分担の再定義が必要になるケースもあるだろう。とりわけ変化が大きいと考えられるのが営業とマーケティングだ。

 本稿では、2018年5月にトレジャーデータが開催したデジタルマーケティングのカンファレンス「TREASURE DATA “PLAZMA” TORANOMON」から、アクセンチュアの矢野一路氏(通信・メディア・ハイテク本部 シニア・マネジャー)による講演「デジタル化の未来と求められる営業・マーケティング変革」の概要を紹介する。

矢野一路氏 矢野一路氏

デジタルを取り巻くグローバルトレンド

 アクセンチュアでは毎年4月、世界中で「デジタル消費者調査」を実施している。世界19カ国2万1000人を対象とした2018年版では「スマートスピーカー」「動画」「AR/VR」「自動運転」の4つを注目キーワードとして挙げている(関連記事:「スマートスピーカーを持っていると自宅でのスマホ利用頻度が下がる──アクセンチュア調査」)。

 今後、デジタルとリアルを融合させた顧客体験の設計は不可欠になる。矢野氏は、やや毛色の異なる「自動運転」を除いた3つのキーワードについて現状を紹介した上で、いずれにおいても「重要なのはテクノロジーそのものではない」と強調する。求められているのはハイパーパーソナライズされた高品質の価値提供であり、テクノロジーはそれを実現するための手段にすぎないというのだ。

 「良いものを作れば売れる時代は終わった。これからの企業は、顧客体験の全体像を踏まえた上でマネタイズポイントを設計しなければならない」と矢野氏は語る。

デジタル化に伴う顧客行動の変化

 アクセンチュアではB2Cのビジネスにおける新しい消費者行動モデルとして「ノンストップカスタマーモデル」を提唱する。これまでの消費者は、実際に店舗に出向いて品物を手に取り、店員のアドバイスに耳を傾けて、購入するかどうかを決めていた。しかし、今はどの店に行くのか、そこにどのような商材があるのか、必要な情報にいつでもどこからでもアクセスできる。また、買った後には自らもSNSなどで情報を共有する。体験と評価が次の消費者の意思決定に役立てられるという、企業がコントロールできない部分が広がっているのだ。

 同じように、B2Bにおいても購買プロセスのデジタル化は進んでいる。『Harvard Business Review』によれば、B2Bの顧客の3分の2は営業担当者と会う前にWebで情報を収集し、購買意思を固めているといわれる。また、B2BはB2Cと異なり購買決定に関わる人が複数いるが、Googleの調査では、情報収集に当たる人の46%は若手社員(18〜34歳)だ。この割合は今後さらに上がる。彼らに情報が届くようにするためにも、デジタル世界でのプレゼンス獲得・向上は必須だ。

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