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» 2017年08月21日 05時00分 UPDATE

「PLAY 2017 Tokyo」レポート:B2Bでもやはり「動画」、日本HPとHDEのマーケティング責任者が語る活用事例 (1/2)

「PLAY 2017 Tokyo」から、「B2B 動画マーケティング最前線」と題したパネルディスカッションの内容をダイジェストで紹介する。

[やまもとはるみ,ITmedia マーケティング]

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 ブライトコーブは、同社が本社を置くボストンで毎年動画マーケティングに関するカンファレンス「PLAY」を開催している。その日本版である「PLAY 2017 Tokyo」が2017年7月14日に開催された。今回はその中から「B2B 動画マーケティング最前線」と題したパネルディスカッションの内容を紹介する。

 B2B領域においても動画マーケティングへの注目が高まりつつある一方で、企業サイドからは「自社の製品を動画でアピールするにはどうすればよいのか」「自社が持っているコンテンツには価値がないのではないか」「動画マーケティングはコストと手間がかかるのではないか」といった不安や懸念の声も聞かれる。

 今回のセッションでは、日本HPパーソナルシステムズ事業統括パーソナルシステムズ・マーケティング部 甲斐博一氏とHDE Cloud Sales & Marketing Division Inside Sales & Digital Marketing Manager 水谷博明氏が、B2B企業の動画マーケティングについて、導入の背景や苦労した点、導入の成果を具体的に紹介した。モデレーターはブライトコーブ デジタルマーケティング テリトリーマネージャー 大野耕平氏が務めた。

営業のリソースが足りない、そのときマーケティングは何をすべきか

日本HPの甲斐博一氏

 日本HPの甲斐氏は長くIT業界に身を置き、一貫して販促やマーケティングを担当してきた。B2Cのマーケティング経験もあり、B2Bでの動画活用についても以前からその有効性を認識していた。とはいえそこに本格的に取り組み始めたのは2年半前のこと。きっかけは2014年の「Windows XP」のサポート終了だった。これを機にPCの需要が激減した。各社とも売り上げの増加が見込めない中で利益を確保するため、営業リソースを削らざるを得ない。この深刻な状況は日本HPにおいても同じだった。

 もう1点、甲斐氏を突き動かしたのは以下のような思いだ。「テクノロジーの進化に伴い、日本のオフィス環境も変わっていくはず。営業担当者が顧客に電話でアポイントを取り訪問するというB2B営業の基本スタイルも、いずれ変化していくはず。このままの営業スタイルを続けていたのでは、新しいスタイルを確立した企業に営業力で負けてしまう」――営業現場に訪れる変化をマーケティングでサポートするべく、甲斐氏はデジタルへの移行を決断する。動画は、その有力な手段の1つと見込んでいた。

 続いてマイクを取ったHDE 水谷氏は、同社の営業について「とにかくターゲットが狭い」という特徴を挙げる。クラウド向けのセキュリティサービスなどを手掛けるHDEは、その導入において企業規模などの条件があり、必然的に営業対象が絞られる。インバウンド施策だけでリードを集めることには限界があるため、テレマーケティングなどアウトバウンド施策でのリード獲得を積極的に行っている。そして、アポイントが取れたら必ず営業担当者が出向く。

 しかし、訪問先の全てがすぐに商談に結び付くわけではなく、また、全ての企業を継続してフォローするには営業のリソースが足りない。潜在顧客でありながらフォローの対象とならない、いわば「捨てリード」が大量に発生してしまうのが悩みだった。しかも捨てリードは日を追うごとにどんどん蓄積されていく。この状況を打開すべく、HDEではMAツールを導入し、インサイドセールス部隊の活用を図ることにした。

 では、捨てリードをどうやってリカバリーしていくか。上述の通り、HDEでは営業部隊によるアウトバウンド活動がセールスのメインだ。マーケティング部門はまず営業状況に関する情報を可視化して把握する必要があった。そこで、基本的な企業情報に加え、サイト訪問やメール開封、動画視聴などのマーケティングデータ、さらに顧客が使っている製品や更新月といった情報も取り込み、データベース化する必要がある。このとき、顧客に関する情報を営業担当者に入力してもらう必要があるわけだが、これはなかなかハードルが高い。そこで、データを入力するモチベーションとなるよう、営業活動に役立つ20種類超のアラートメールを用意した。例えば、営業担当者が商談で失注したというデータを入れた場合、その顧客が再度Webサイトを訪れたり動画を見たりしたらアラートメールが届き、フォローにつなげることができるといった具合だ。当然のことながら、データを入れていなければアラートメールは受け取れない。こうして営業担当者へのメリットを設定することで、当初50%だった活動入力率は100%に改善した。営業活動のデータベース化が進んだことで、マーケティング施策もやりやすくなっているという。

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