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» 2017年11月28日 15時30分 公開

「Adobe Analytics」に新機能:「Adobe Analytics」がプライベートDMPとの連携を強化、何が変わるのか? (1/2)

アドビシステムズは、「Adobe Analytics Cloud」に含まれる分析ソリューション「Adobe Analytics」とプライベートDMP「Adobe Audience Manager」が双方向の連携を実現したと発表。記者向けの説明会を実施した。

[冨永裕子,ITmedia マーケティング]

 アドビシステムズ(以下、アドビ)は2017年11月22日、「Adobe Analytics Cloud」の新機能とDMP最新動向に関する記者説明会を実施した。ここでは、同社グローバル サービス統括本部 プロダクトエバンジェリスト兼シニアコンサルタントの安西敬介氏が、「Adobe Analytics」とおよび「Adobe Audience Manager」という2つの製品の位置付けをあらためて紹介し、機能強化の方向性について解説した。

アドビシステムズの安西敬介氏

Adobe Analytics Cloudの注力ポイント

 アドビは2017年3月に製品体系を再編し、「Adobe Experience Cloud」の傘下でAdobe Analytics Cloudと「Adobe Marketing Cloud」「Adobe Advertising Cloud」の3つのクラウド製品を提供するようになった。この内のAnalytics Cloudでデータ分析を担う製品がAdobe Analytics、顧客セグメント管理を担うのがAdobe Audience Managerだ。

 Adobe Analyticsでは、マーケターが分析で得たインサイトを次のアクションにつなげることができるようにすること、そしてAdobe Audience Managerでは、オーディエンスの理解からセグメントの作成、効果的な広告の実施までの一連のプロセスを重視している。安西氏は、2つの製品の注力ポイントをそれぞれ次のように語った。

Adobe Analytics

 Adobe Analyticsが重点を置いているのが、人工知能(AI)プラットフォーム「Adobe Sensei」の活用と製品間連携の強化である。Adobe Senseiが統計の専門知識がない人でも簡単に高度な分析ができるようにマーケターを支援し、Adobe Experience Cloudの各製品および「Microsoft Power BI」などと連携することで、社内のデータを統合的に分析できる環境を整備していく構えだ。

 AI活用について、安西氏はまず、異常値分析と貢献度分析にAdobe Senseiが使われていることを紹介した。例えば、ECサイトでは平日と週末でトレンドが変化することがよくある。普段とは異なり、特定の商品の売り上げが平日に大きく伸びていたとしよう。Adobe Senseiは主要指標をモニタリングしており、統計的な異常値を見つけたら、異常値検出レポートを作成する(図1の左側)。

 売り上げが伸びていたことを把握できても、何が影響しているかをタイムリーに理解できなければ正しく手を打つことは難しい。このときに役立つのがAdobe Senseiが作成する貢献度分析レポートである。ユーザーが異常値検出レポートの折れ線グラフの山あるいは谷になっている点をクリックすると、数分程度で貢献度分析レポートが出来上がる(図1の右側)。レポートは、収集しているデータから変化が大きかった要素とその影響度を示す。もしTwitterでバズっていたことが影響していると分かったら発注量を増やすといったアクションにつなげることも可能になるわけだ。

 安西氏は、「5日間かかっていた分析が1日で終われば、施策をもっとスピーディーに展開できる。だからアドビは分析の工数に焦点を当て、AIを活用して分析の高度化と高速化を実現した」とAdobe Sensei活用の狙いを解説した。

図1 図1:Adobe Senseiが提供する分析レポート(出典:アドビシステムズ)

Adobe Audience Manager

 Adobe Audience Managerでは、データソースおよびデータ連携先の拡充が注力ポイントになっている。

 質の高い顧客体験を提供する際にコンテクストの理解が重要というのは、アドビが繰り返し主張しているポイントだ。そのためには、できるだけ多くのデータソースを統合し、セグメントを作る必要がある。セグメントの拡張では、機械学習を活用した「ルックアライクモデル」の利用も効果的だ。つまり、今持っているセグメントと属性が類似するデータでセグメントを拡張するのだ。

 統合候補となるデータソースは、ファーストパーティーデータとしてはCRMやPOSのような社内システムのデータ、サードパーティーデータとしてはCookieベースの消費者属性データを販売しているパブリックDMPのデータなどが考えられる。

 さらに、アドビは、Adobe Audience Managerを導入しているパートナー企業と、個人情報を介さずにセグメントの情報だけを受け渡すセカンドパーティーデータ連携も強化している。安西氏は、個人向け通販のLOHACOが主催する「LOHACO ECマーケティングラボ」の参画企業向けに提供している「LOHACOセグメントパッケージ」を紹介した。これは、個人情報を介さずに、企業が施策展開に必要なセグメント情報だけをAdobe Audience Managerから入手できるようにするものだ。

 消費財ビジネスにおいてデジタル施策というと、ソーシャルメディアからランディングページへの誘導ばかりに偏りがちだ。刈り取り一辺倒で新規需要の伸び悩みに悩む企業は少なくない。LOHACOのようなカスタムセグメントの取り組みはアドビでもまだ着手したばかりだが、より効果的な消費者へのアプローチを探している企業に向けて、今後本格的に提供していくという(図2)。また、データソースの拡充と同時に、セグメントを使うためのデータ連携先の拡充にも引き続き取り組んでいく。

図2 図2:パートナーのデータで拡張するセグメントの例(出典:アドビシステムズ)
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