TikTokは米国での禁止措置回避に向けて、次期大統領であるトランプ氏による救済の可能性を模索しているようだ。
TikTokは次期大統領であるドナルド・トランプ氏の虚栄心につけ込もうとしているようだ。トランプ氏は、TikTokが作成したと思われるインフォグラフィックを共有し、同アプリ内での自身のパフォーマンスを強調している。
トランプ氏が自身の運営するソーシャルメディアアプリ「Truth Social 」(外部リンク/英語)でシェアしたこの投稿には、 「なぜTikTokをやめたいと思うのか?」というキャプションが添えられていた。
この投稿の内容は、トランプ氏が以前にTikTok支持を表明した際の言葉を思い起こさせる。同氏は最初の任期中の2020年にTikTokの売却を強制しようとしたことがあるが、最近ではすっかり方針を改め、自身が今やTikTokの「大スター」であり、そのため同アプリを排除する理由はない述べている(関連記事:「いよいよ米国で禁止へ 『トランプ大統領』がTikTokを救う可能性は……?」)。
もちろん、これはTikTok売却法案を支持する米国上院議員たちが提起した国家安全保障上の懸念とは何の関係もない。しかしTikTokは明らかにトランプ氏のエゴに訴え、彼がアプリ内でいかに大きなスターであるかを示すことで、トランプ氏に救済を求め、アメリカでの排除を回避しようとしている。
TikTokの排除措置は2025年1月末に予定されている。TikTokには1月19日までに米国企業への売却を実行するか、同国内での禁止措置を受け入れるかの選択が求められている。トランプ陣営は既に最高裁判所に対してこの期限の延長を求める意見書を提出しており、1月20日の大統領就任後に他の解決策を模索する時間を確保しようとしている。この嘆願はまだ承認されていないが、トランプ氏が上院で承認された当初の法案に強く反対するなら、少なくとも理論的には、TikTokにとって一筋の光明となる可能性がある。
しかし、仮にそうであったとしても、トランプ氏が取れる行動の範囲は限られている。それでも、期限が迫る中でTikTokは、トランプ氏が大統領令を発動して米国での完全排除を免れることに、少なくともいくらかの希望を抱いているのは明らかだ。
最も可能性の高い結末は、TikTokが一時的に米国アプリストアから削除された後、トランプ陣営が新しい取引を交渉する機会を得た段階で再び復帰することだろう。それがどのような形で実現するかはまだ不明だが、今この期に及んでは、トランプ氏がTikTokに有利な措置を講じる時間があるとは考えにくい。
しかし、TikTok はたとえ米国のアプリストアから削除されたとしても、いずれ戻ってくる可能性が高い。
さらに、トランプ氏がアプリ内で強い存在感を持っていることを考えれば、今月後半にトランプ氏が大統領に就任した後も、TikTokが彼の頭の中に常に存在し続けるだろうことは間違いない。
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