ホンダがアイルトン・セナ登場の感動動画をリリース F1ブームが世界で再燃する背景に何が？：Marketing Dive

米国でモータースポーツの人気が再燃している。Hondaの新たな広告動画では、F1のアイコンである故アイルトン・セナも登場し、勝利の物語を描いている。

[Aaron Baar，Marketing Dive]

　本田技研工業の米国法人であるAmerican Honda Motor（以下、Honda）は「Unstoppable Dreams（止められない夢）」と題した感動的な新キャンペーンで、F1レースを取り巻くファンダムにアプローチしようとている。60秒のスポットには、故アイルトン・セナや現F1世界チャンピオンのマックス・フェルスタッペンなど、象徴的なF1ドライバーが登場する。

F1ブーム再燃のきっかけはNetflixだった

Hondaは、F1モーターレースのファンダムに訴求するため感動的な「Unstoppable Dreams」キャンペーンを展開している（画像はHondaのプレスリリースより）

　F1は今、特に米国で盛り上がりを見せている。このスポーツで最も知名度の高い2つのビッグネームを使う権利を持ったブランドがその流れに乗ることは理にかなったことだ。1994年にレース事故で亡くなったセナは、昔からのファンやF1の歴史に関心を持つ人々にアピールするだろう。一方、FIAフォーミュラ1世界選手権（F1）を3度制したフェルスタッペンは、このブランドを現代に蘇らせる。

　「Unstoppable Dreams」の核心は、Hondaの「公式の声」を務める俳優のジョン・シナがナレーションを担当する60秒の広告動画である。この広告はリバースポエム形式を使用しており、敗北や苦境の物語を逆に読むことで勝利の物語へと変わるという内容だ。セナや他のモータースポーツアスリートがクラッシュする映像の上に「君は私の名前を覚えていないだろう」といったセリフが流れ、物語の前半は困難が強調されている。そして、「ここで諦めるときだ」といったラインを境に、ナレーションが逆転し、映像も成功のシーンへと切り替わる。

　「この新しいHondaのキャンペーンは、自信と決意がいかにして大きな成功へとつながるかを示す力強いメッセージを伝えています」と、Hondaの自動車マーケティング担当シニアマネージャーであるフィル・フルスカ氏は述べている。

　広告には、セナが駆った1992年のF1優勝マシン「マクラーレン・ホンダMP4/7A」や、フェルスタッペンが2021年に運転したF1チャンピオンシップマシン「レッドブル・ホンダRB16B」といった象徴的なHonda車両が登場する。また、“空飛ぶクルマ”として話題のeVTOL（電動垂直離着陸機）やハイブリッド電動車「プレリュードコンセプト」もフィーチャーされている。

　2024年10月6日の「サンデーナイトフットボール」の放送中にデビューしたこの広告は、スポーツ関連の番組枠で頻繁に放映される予定だ。放送は、テレビやストリーミング、デジタルメディア、ソーシャルメディアを含む複数のチャネルで行われ、NFLやカレッジフットボールの試合、NBAシーズン開幕戦などでも継続して放映される。

　キャンペーンはまた、全国の劇場で主要映画のプレミア上映中にも放映される予定だ。さらに、HondaはNetflixの広告付きプランで配信される「Senna」シリーズのタイトルスポンサーを務め、11月にラスベガスのミラクルマイルで開催されるF1テイクオーバーにも参加する。

　Netflixは米国でF1の人気に火をつけた発端とされる。このプラットフォームで「Drive to Survive」シリーズが配信されて以来、米国ではマイアミ、ラスベガス、テキサス州オースティンの3レースが開催されるようになり、その観客数は増加の一途をたどっている。2024年のマイアミのレースでは、米国でF1史上最大のテレビ視聴者数となる310万人を記録した。

原文：Honda nods to F1 icon Ayrton Senna in emotional ‘Unstoppable Dreams’ ad（Marketing Dive）