「オムニチャネルジャーニー」視点で考える不動産マーケティングの最適化KPI設計からクリエイティブ制作までプロのノウハウを提供

高額商品のマーケティングはWebだけで完結することができない。不動産はその典型例だ。オンラインとオフラインを行き来する見込み客の購入意欲を高め、ゴールに導くために必要なノウハウを探る。

» 2016年01月26日 10時00分 公開
[ITmedia マーケティング]
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Webだけではコンバージョンできない商材

 マーケティングコミュニケーションは「旅」に例えられる。

 企業の伝えたいメッセージが消費者に届き、商品・サービスへの関心が高まり、コンバージョンに至り、顧客となるまでの「カスタマージャーニー」だ。

 この旅は団体旅行のようなお仕着せのパッケージツアーでは終わらない。スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスを中心に、情報に接触するためのチャネルを数多く手にした消費者は、それらを通じて場所や時間にとらわれず、情報収集を行っている。1つのチャネルでプロセスが完結することはほとんどない。

 接触するチャネルはオンラインだけとは限らない。特に、高額の出費を伴い、長く使い続ける不動産のような耐久消費財購入時には、実際に商材を目で見て確かめるフェーズが必ず存在する。

 Web上でコンバージョンが完結する商材とそうでない商材では、全く異なるマーケティング手法を用いる必要があると語るのは、Lifull Marketing Partners(以下、LMP) 代表取締役社長 三浦拓郎氏だ。


三浦氏 Lifull Marketing Partners代表取締役社長 三浦拓郎氏

 大手デベロッパーの社内ベンチャー制度から生まれ、2008年に同グループから独立。大手不動産・住宅情報サイト「HOME'S(ホームズ)」を運営するネクストとの資本・事業提携により2015年10月に新社名となった同社は、不動産業界をはじめ、ホテル・リゾート、老人ホーム、高級車などの高額商材のマーケティングで豊富な実績を持つ。

 「不動産を購入しようとする人であれば、Web上で情報収集しながら期待感を高め、現場に足を運び、帰宅して再びWebを見るという流れがあります。各フェーズに最適な表現やアプローチがあるのです」と三浦氏は語る。

 フェーズの異なる見込み客に、ワンパターンのコンテンツを見せても意味がない。Webサイトの設計から現地(オフライン)への誘導、そしてWeb再訪からコンバージョンに至るまで、不動産を売るためのWebマーケティングにおいては、クリエイティブも含め、チャネルにとらわれず大きなシナリオを描くノウハウが不可欠なのだ。まさしくオムニチャネルジャーニーの視点が求められると言ってもいいだろう。

図 Lifull Marketing Partnersで取り扱う商材

 しかし、実際には業界内で「常識」とされている施策を検証してみると、コンテンツの見せ方が良くなかったり、マルチデバイス対応ができていなかったりと、残念ながら効果が疑われるような例も少なくないという。オフラインの行動を可視化し、オンラインの履歴と統合的に把握できているような例は、ほとんど見当たらない。

来場者アンケート結果は正しいか?

 とりわけ、業界全体の課題なっているのが、Webとリアルの顧客IDのひも付けだ。現状、それが行われていないというわけではないにせよ、取り組みはまだまだ不十分といえる。

 例えば、新築マンションの情報をWebでチェックし、モデルルームを見に行ったことがある人であれば、多くの場合、来場後にアンケートに回答したことがあるだろう。そこでは必ず「どのサイトを見て来場したか」と聞かれたはずだ。

 しかし、ここで正しい回答ができている人が一体どれだけいるだろう。記憶があやふやなまま、選択肢にある有名不動産ポータルサイトを何となく選んで丸を付けるというケースも少なくないのではないか。そうした有名サイトは日頃から各メディアに大量に広告を出稿しており、折に触れてそれを目にするため、訪問していなくてもイメージが刷り込まれやすい。結果、実際のWeb行動履歴と全く関係のないサイトを想起してしまうということさえ、あるかもしれない。

 「アンケート結果をベースに『このサイト経由の来場者が多いから』という理由で広告出稿先を決めがちです。しかし、曖昧な記憶に基づいたアンケート結果を信じるのは、正しい判断とはいえません。そこで私たちは、アンケートを基にした方法ではなくデジタルで来場のきっかけを計測できる仕組みを作り上げました」(三浦氏)

図 来場分析の仕組み

 しかし、以前は来場分析のハードルは非常に高いものだった。分析するにはまず、データを管理する総合広告代理店から来場者データを受け取り、資料請求者データと突き合わせて氏名のひも付けを行う必要があるが、この来場者データがなかなか提供してもらえない。たとえデータを受け取れたとしても、データ同士のひも付け作業が簡単にはいかない。しかし、ネクストと資本提携し、HOME'Sの新築マンションサイトにおける専属代理店契約を締結した現在、LMPの分析能力は飛躍的に向上したという。

舟木氏 Lifull Marketing Partners取締役 兼 メディア営業本部長 舟木 卓氏

 「現在は、来場者がHOME'Sに接触しているか、その際にどの広告を経由したか、どんなキーワードで検索流入したかなど、HOME'Sに関連する来場者データを余すことなく取得できる体制が整い、より深い分析ができるようになりました」。こう語るのは、ネクスト出身でLMP 取締役 兼 メディア営業本部長 舟木 卓氏だ。LMPが悪条件の中で地道に取り組んできた来場分析のノウハウがHOME'Sの持つ“ビッグデータ”を得たことで開花したというわけだ。

KPI設定からクライアントと二人三脚

 LMPではWebサイト制作事業も展開し、企画・提案から顧客管理、広告プランニング、効果測定までワンストップで行っている。前出のデータ分析も、全体の施策におけるフェーズの1つにすぎない。商品理解とKPI設定から深く入り込み、週単位での広告効果分析を行いながらWebサイトを運営する。「作っておしまい」ではなく、ROIの高い不動産マーケティングを実践しているのだ。

 「私たちのミッションは『課題解決』。お客さま自身が課題に気付いていないのであれば、掘り起こすことから始めます」と三浦氏は語る。

 上司から「もう少しWebに力を入れて」と言われ、予算も持っているが、どのような取り組みをすればよいかが分からない、そもそも何をもって成果が上がったとするのかさえ分からない担当者も少なくないという。業界知識はあってもデジタル施策の経験が浅いそうした人たちの事情を理解し、顧客目線でプロジェクトを進めるのがLMP流だ。クリエイティブの提案から動線の設計、さらには「◯件の成約を獲得するには◯回のクリックが発生すればよい」「◯回のクリックを獲得するにはいくら広告費を掛ければよい」といった数字を具体的に示してKPIを設定するところまで、とことん付き合うのだという。

 

 「誰もがWebを理解しているわけではないから、ノウハウを持ったわれわれが、目標となる数字を決める部分から入り込みます」と三浦氏は語る。二人三脚でどこまでも面倒を見てくれるLMPは、顧客には心強い存在に違いない。

図 制作からプロモーションまでワンストップで提供

「魅せるコンテンツ」を作る

 KPI設定後は、肝心のWebサイト制作だ。いつごろ、どれくらいの反響が来るかといった過去データを膨大に持つ同社では、それらの「経験値」を基に、季節要因を意識しつつ、適切なアウトプットを行っている。

 特に得意とするのは魅力的なコンテンツ作りだ。意識しているのは、ライフスタイルに訴求する美しいビジュアルを提供すること。高額商品でありそれぞれに環境の異なる不動産では訴求する切り口もさまざまだが、いずれにしても「どれだけ良い物件なのか」を想像させなければならない。

 もちろん、「きれいなビジュアルを見て気に入ったから」という理由だけで購買に至る人はかなりの少数派だ。そこで、既に購入の意思を持つ人がコンテンツを見にいった際に「欲しい」気持ちをより一層高め、現地に見にいきたくなるよう、成約者の声や周辺環境の紹介、支払いシミュレーションなど、コンテンツのラインアップにもバラエティを持たせなくてはいけない。

 また、価格の見せ方や毎月の返済額についても工夫を欠かさない。たとえ支払総額は変わらなくても、ローンの組み方次第で「月々9万円以下」「初期費用を払えば月々5万円」などいろいろなパターンが考えられる。

 見せ方の工夫は価格だけではない。それぞれの物件には長所もあれば短所もある。そこでデメリットをごまかすのではなく、見込み客にきちんと説明責任を果たした上で、デメリットを補って余りあるようなメリットがあれば、コンテンツの力でそれを訴求する。駅から徒歩15分と遠めのマンションでも、途中に商店街があれば帰りに買い物ができるかもしれない。緑豊かな環境に魅力を感じる人もいるかもしれない。こうしたイメージを、動画などを使って表現することで、消費者の購買意欲が高まることもあるという。これも不動産に強いLMPならではのノウハウだ。

 また、クライアントとは毎週の定例会議で、プランニングした内容がKPIに沿って推移しているかを確認する。目標数値に未達であれば、すぐに別の施策を提案し、実行へ移す。スピード感を持ってPDCAを回していくのが、LMPの流儀だ。

不動産マーケティングには知識と実績を持つパートナー選びが最重要

 「私たちは1週間で数万件のコンバージョンを獲得できる商材とは違い、5〜10件ほどしか獲得できない高額商材を扱っています。その少ないデータの中で、滞在時間や直帰率などを適切に見て改善するには、相当な技量が必要になります」(三浦氏)

 見るべき指標は「反響があったから」「たくさん閲覧されているから」といった事実だけではない。たとえ、たくさん見られていても、ターゲットに響いていない施策もある。マンションなどは同じ物件であっても間取りの違いによって、ターゲットの反応が大きく変わる。多岐にわたる指標の中で何を正とするかは、不動産の世界を知らないWebマーケターにはなかなか判断が付かないだろう。

 だからこそ、経験豊富なパートナー選びが、何よりも重要になる。特に新築マンションにおいて、HOME'Sのデータを活用できるLMPは、他社と比べて圧倒的な強みを持つといえる。

 さらに「人材」面でもアドバンテージがある。若手メンバーだと20代前半、主力メンバーだと30代後半の社員で構成される同社では、デベロッパー出身の人材や宅地建物取引士(宅建)資格保持者も多いという。不動産業界の深い知識を持つ人材が、Webの知見を身に付け、不動産×ITを専門として働いている。Webのことしか知らない他社とは出発点が異なるのだ。

 マーケティング管理ツールが進化し、セルフサービス型の広告運用が叫ばれているとはいえ、プロにはプロのノウハウがある。無理をしても成果は出ない。実績のあるパートナーと組んで正しく素早くPDCAを回せば、不動産マーケティングはきっとうまくいくはずだ。

2人 不動産マーケティングに肝心なのは頼れるパートナー

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提供:株式会社Lifull Marketing Partners
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia マーケティング編集部/掲載内容有効期限:2016年2月25日