検索
ニュース

第6回 データ・サイエンティストに学ぶビッグデータのマーケティング・イノベーション3つのポイント【連載】海外事例に学ぶマーケティングイノベーション(2/2 ページ)

今回はビッグデータのマーケティング・イノベーションについて掘り下げ、ビックデータからビジネスチャンスをつかみ取るためには、どんな点に気を付け、何をすべきなのか見解を示したい。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

マーケティング・イノベーションにおけるビッグデータとは

 まず、ビックデータが対象とするデータの範囲を定義しよう。 

 ビックデータの目的は、ビジネスチャンスをつかみ取ることだ。言い換えるとそれは、「誰に、何を、どのメディアを通して、いくらの予算をかけて消費者にアプローチすることが投資効果を最大化できるか」を紐解くことである。

 そして、マーケターは、紐解かれたデータを元に「マーケティング戦略を描き、実行し、さらに指標を測定して、最適化を図る」。よって、ここではこれら全ての段階においてデータ分析に活用できるデータを“ビッグデータ”とする。中でも最も重要なデータは、“購買に直接結びついているデータ“と、ターゲットの行動解析に役立つデータである。

1. 購買に直接結びついているデータ

 購買に直接結びついているデータは大きく分けて2つある。

 自社のセールスデータと、提携パートナーのトランザクションデータである。自社のセールスデータからは、売れ筋商品が把握できる。 また、このデータに顧客情報と顧客の属性が結びついていれば、どんな顧客に対してどういう商品が売れるのか把握できる。提携パートナーのトランザクションデータとは、ポイントプログラムなどがあり、自社製品とそれ以外の購買データが把握できる。

 さらにもう一歩踏み込めば、消費者のライフスタイル、その中での自社の製品のポジションを把握することも可能だ。商品に顧客属性を紐づければ、性別や年齢だけでなく、地域や時間帯、そして家族構成や所得情報も把握できる。こうした情報は、消費者のライフスタイルにより密接し、より親和性が高いコミュニケーションの実現を意味する。

 BtoBであれば、企業ごとに特定のカテゴリーの支出を公表している場合もある。こうしたデータもビックデータの対象として含めるべきであろう。例えば、シスコでは、自社のカテゴリーのスペンディング情報をターゲット企業ごとに分析し、カテゴリースペンディングの規模と自社製品の浸透率の2軸でターゲット企業を4分割している。シスコは、この価値指標という観点に基づき、セグメントごとに異なったコミュニケーション戦略を策定している。


出典:データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」(出版:日経BP社)p.33

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る