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第5回 消費者の行動変化を見極める――2013年のデジタルキャンペーン設計【連載】海外事例に学ぶマーケティングイノベーション(1/2 ページ)

情報技術の進化は消費者の行動変化を促している。企業が仕掛けるマーケティングキャンペーンも、その設計段階から時代の変化への対応を余儀なくされている。「モバイル」「Eコマース体験」「ソーシャルメディア」「リアルタイム性」「ビッグデータ」という5つのキーワードで、マーケティングに影響を与える時代の流れを読み解く。

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1. モバイル体験を再設計する

Be mobile, not do mobile.

モバイルマーケティング成功の鍵は、消費者のモバイルの利用形態に合わせて、柔軟にコミュニケーションを設計することだ。

 スマートフォンやタブレットPCなどのタブレットデバイスと、PCの出荷比率を世界規模で見てみよう。ディスプレイサーチによると、2011年に出荷比率25%であったタブレットPCは、2012年には40%まで増加し、2013年は60%まで上がる。スマートフォンやタブレットPCは確かに、コミュニケーションチャネルとしての存在感を増してきている。このような時代において、マーケティング担当者は消費者のデバイス利用形態に着目してマーケティングプランを策定することが求められる。

 タブレットPCやスマートフォンは、他のデバイスと同時視聴されることが多い。例えば、テレビとの同時視聴だ。Ericsson ConsumerLabの調査によると、「1週間に一度以上ネットサーフィンをしながらテレビやビデオ(DVD)を見る」と答えた消費者の割合は、2011年には63%だったが、2012年には81%に増加した。Facebookなどのソーシャルメディアとテレビとの併用利用の割合は、41%(2011年)から61%(2012年)に増加している。チャットも35%(2011年)から44%(2012年)まで増えている。つまり、ITデバイスの利用トレンドを取り入れつつ、利用形態を軸にコミュニケーションを設計することで、より多くの消費者にブランド認知が図れる。

 海外での事例を紹介しよう。ハイネケンは2011年5月に、あるスマートフォンアプリをリリースした。消費者がテレビでサッカーの生放送を見ている際に、リアルタイムで投票が楽しめる、というものだ。例えば、コーナーキックやフリーキック、PKになった瞬間、「GOAL? or Not?」を予想する投票を実施し、当たるとポイントを稼げる仕掛けである。ハイネケンの商品の利用シーンやITデバイスのトレンドおよびその利用形態をうまく組み合わせたデジタルキャンペーンと言える。

 デジタルキャンペーンを設計する際には、消費者がデバイスをどのように利用しているか、伝えたいブランドメッセージを「その瞬間」に伝えるチャンスはあるか、そして、どのように伝えれば最大限の効果が得られるか、そうした視点でキャンペーンを設計することが成功の鍵である。

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