マーケティングに関わる人々の間で動画活用が叫ばれるとき、多くの場合、1つのコンテンツを多くの人々に配信するモデルが想定されています。つまり、従来のテレビCMと基本的には同じ。配信先がテレビからクライアントPCやスマートフォン、タブレットなどに変わっただけで、「マス向け」のコンテンツであることに変わりありません。
コンテンツを送る側にしてみれば、より多くの人に訴求したいと考えるのはごく自然なことかもしれません。最近の動画ブームにしても、中心となる担い手は広告代理店や動画制作会社であり、「効率よくターゲットにリーチする」ことに主眼が置かれているような気がします。
しかし、一方でデジタルテクノロジーは「個」のニーズに応えるOne to Oneマーケティングを志向してきました。これからご紹介する「パーソナライズドビデオ」は、マーケティングに動画をどう活用するかというテーマに対するITからの1つの回答といえるかもしれません。本連載では、海外を中心に昨今ブームの兆しを見せつつあるパーソナライズドビデオについて、その効果や仕組み、内部の技術など、さまざまな側面から説明していきます。