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第6回 (前編)全然売れなかった……から始まった大逆転劇【連載】ブランド戦略としての「学びのコミュニティ」

2004年、生活総合ブランドA社が「家」の販売を開始した。その立ち上げの責任者として入社した土谷貞雄氏。しかし、なかなか軌道に乗らない事業。その打開策として考えたのが、くらし全般をテーマとするユーザー参加型のWebサイトを開設すること、そして、幅広いテーマに渡って消費者と対話を重ねることだ。このコミュニティサイトは今では300万人近い会員を持つ。それらのコミュニティを舞台に、これまでの土谷貞雄氏の行なった活動と現在に至るまでの話、さらにこれからの考えを伺った。

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1. では多くの会員が参加するWebコミュニティ。それは失敗から始まった


土谷貞雄氏

土谷 それまでゼネコンで勤めた経験から、2004年にA社の住宅販売事業を担当するため入社しました。一般消費材を販売するA社では、「家」を雑貨や文具と同じような工業製品として大量生産、販売することでした。ところが全く売れなかったんです。家は高額ですし、そもそも買う物でなく、つくるもの、カスタマイズが前提ですし、異業種への新規ビジネスは、信頼を勝ち取るまでに時間のかかるものです。苦戦が続く中でも、営業拠点は全国に20カ所ほどに広がります。そこで2008年に、住まいをテーマとする「ユーザー参加型のWebサイト」を開設し、お客さんの暮らしは一体どのようなものなのかを知ろうとアンケートや訪問調査を始めます。そのことが大きな成果へとその後、つながっています。

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