「Pinterest」のマーケティング活用、実は意外と進んでいるってご存じでした?:Yahoo! JAPANやスタートトゥデイなどとの協業も(1/2 ページ)
おしゃれな人、アート志向の人が使う画像共有サービスとして知られる「Pinterest」。アーリーアダプターの間ではTwitterやFacebookの「次」を担うSNSかと注目されたこともあったが、その後のビジネス展開はどうなっているのか。
「Pinterest」はお気に入りの写真や動画を自分が作成した「ボード」に「Pin」してコレクションできるWebサービスだ。2010年に米国でスタートし、2012年ごろに日本でも感度の高いアーリーアダプター層の間で大流行した。同年には楽天からの出資を受け、2013年には日本法人を設立して日本語版をスタートしている。
当時FacebookやTwitterに続く「Next Big Thing」の候補の1つと注目されたPinterestだが、その後の動向をよく知らないという人も多いだろう。一方で、同じ画像共有型サービスとして比較されることも多いFacebook傘下の「Instagram」は、2017年に「インスタ映え」が流行語大賞に選ばれるなど大ブレークしている。それと比較してしまえば、Pinterestに動きが少ないように感じられるのは否めない。
日本企業との協業が着々と実現
しかし、実際にはPinterestは着実にユーザー層を広げ、サービスの内容も進化している。また、米国から欧州、そして日本を含むアジアへとグローバル展開も着々と進行中だ。Pinterestの全世界における月間アクティブユーザー(MAU)数は現在2億人以上に達しているが、そのうち米国外からのアカウント登録数は75%を占めるという。日本でも2017年には対前年比でユーザー数が3倍になっている。
企業との協業も進んでいる。例えばYahoo! JAPANでは現在、Pinterestと親和性の高そうな「花嫁 髪形」や「ボブカット」などのキーワードを検索したとき、検索結果にPinterestのコンテンツを表示するようになった。また「関連トピックス」としてPinterestへのリンクを表示させるモジュールも既に実装している。
ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイのファッションコーディネート共有サービス「WEAR(ウェア)」と連携した取り組みも実現した。WEARアカウントとPinterestのアカウントをOAuth認証認証でひも付けることにより、WEARアプリで「いいね!」を付けるとPinterstのボードにお気に入りのコーデ画像がPinされるというものだ。また、アイランドが運営する料理ブログポータルサイト「レシピブログ」とも、レシピブログの中から興味を持ったレシピをPinterestのボードにPinしてもらうというコラボキャンペーンを実施した。
オフラインのビジネスとの連携も模索している。2017年11月には、北欧雑貨のFlying Tiger Copenhagenで販売しているグッズの使い方をPinterestで検索するというキャンペーンも実施した。同キャンペーンではFlying Tiger表参道店でワークショップを開催し、その成果を活用したオムニチャネルでのプロモーションも実現した。
その他にも、ECや小売、モバイルアプリなどさまざまなブランドや、女性誌をはじめとするメディアとの協業も数多く行い、好評を博している。キャンペーンによっては、Pinterestからの送客が他のSNSの中で一番多いという声もあるという。
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