「できない理由」をつぶして高速PDCAを実現するための具体的な取り組み:【連載】小川 卓の「高速PDCA」入門 第2回(1/3 ページ)
勝手には回ってくれないPDCAを組織の中で回すためにはどうすればいいのか。今回は、具体的な取り組みについて紹介します。
前回の記事「PDCAは『勝手には回らない』――もっともな事実とその理由」ではPDCAの重要性を紹介し、それがうまく回らない理由について説明しました。今回の記事では、PDCAを組織の中で回すための取り組みについて紹介します。ぜひ、皆さんの会社でも取り入れてほしいと考えております。
「PlanするがDoできない」を解決する
改善案を考えても実行されない――そういった理由でPDCAが止まることはよくあります。実現難易度が高い施策を提案している場合は、そもそもの施策の選び方を変える必要があります。PDCAに向いているのは、継続的に回せるスピーディーな施策です。スピーディーに回すことが難しいような、根本的な機能やコンセプトの変更が伴う場合は、PDCAではなく「リニューアル」というアプローチに切り替えるべきです。施策を考えるときには常に「実効性があるか」を意識しておきましょう。
施策の優先順位を決める上では特に「SMART」というフレームワークが便利なので、覚えておくといいでしょう。
また「PlanするがDoできない」もう1つの理由として「実行したときに効果が出るか分からないから」といったものがあります。それを防ぐため「効果予測」を事前に行うに越したことはありません。実際に筆者も効果予測をすることがあります。ただし、不正確な効果予測をしてしまっては逆効果なので要注意です。筆者がよく利用するのは「もしこの施策によって数値が10%改善した場合どうなるか」を算出するという方法です。
例えば商品一覧ページのUIを見直すことで、商品詳細ページへの遷移率が1.1倍になったら(10%改善したら)どれくらいコンバージョン数(売り上げ)が増えるのかを計算します。その数値を基に費用対効果を考えるという方法です。筆者にとって最低限クリアしたいラインがこの10%という数字なので、効果の見込みを立てづらい場合には、10%改善した場合を基準にすることをお勧めします。迷った場合はぜひこの方法を使って実施判断し、Doに進めてみてください。
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