第1回 レポート分析のプロトタイピングで意思決定フローを作る:【連載】清水誠のWeb解析ストラテジー(1/3 ページ)
ページビュー、ユーザー数、広告のビューやクリック数……。Webのアクセス解析で一般的なこれらの指標は果たして、あなたの会社の経営判断に寄与しているだろうか? 「清水誠のWeb解析ストラテジー」第1回では、メディアサイトを例に、適切な意思決定を支援する指標の定義方法およびレポーティング方法を解説する。
Webのアクセス解析は特殊なのか?
Webサイトの分析では、ページビューやユーザー数、訪問回数、広告のビューやクリック数、売上などの指標を中心とした効果測定が一般的ですが、このような指標は経営的なコンテクストで理解するのが難しく、「なるほど」で終わってしまい、なかなか改善に結びつかないものです。「Webは制約の多い特殊なメディアなので、Webならではの指標のみを見ていれば良い」のでしょうか?
実は、上記のようなアクセス解析で一般的な指標は技術的に取得しやすいという理由で普及しただけであり、厳選された万能の指標というわけではありません。事業やサイトによっては、一般的であっても見ないほうが良い指標もあります。見るとしても、クロス集計やセグメントなどの絞り込みが必要です。必要に応じて、事業の特性を加味したオリジナルの計算式や指標も必要になります。経営判断の参考にするためには、事業の業績を網羅的にカバーし、適切な意思決定ができるような理想の指標を定義し、技術や制約の中で理想のレポーティングを実現する方法について考えるのが効果的です。
なお、一般的に普及している「アクセス解析」と区別するため、本連載ではいわゆる「アクセス解析」を「Web解析」(英語でのWeb Analyticsに相当)と表記することにします。
では、どのように指標を定義すれば良いのでしょうか? 今回はメディアサイトを例に、自社のビジネスや特性に合わせて見るべき指標とレポートを定義する方法を紹介します。
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