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第4回 BtoBビジネスにおける顧客育成方法について:【連載】実践したくなるBtoBマーケティングの設計とポイント
BtoBビジネスにおける顧客育成というのは、実は、「契約を終えた瞬間」から始まると言っても過言ではありません。最終回は、ビジネス関係を継続させるために必要な顧客理解の基礎的な考え方とその実践方法を考えます。
今回は、BtoBビジネスにおいて顧客の育成をどのようにしていけばよいのかについて見解を述べていきます。
まずこれから述べる顧客の定義についてですが、ここでは契約を終えた既存顧客という位置づけとします。
供給者側が提案型営業スタイルの場合、契約に至った瞬間が幸福の絶頂であると思います。そして幸福絶頂の余韻に浸る間もなく、次なる商談獲得に向けて、営業は走り出しているのが実態かと思います。
しかし、需要者側にとって契約は始まりであって、供給者側ほどの幸福度には至っていません。幸福度としては、供給者側よりも低い状況にあります。契約した後も需要者側は、供給者の選定を誤っていないかどうかいつも気にかけています。
そのような状況において、供給者側の対応がまずいと需要者側に根深いマイナスイメージを植え付けてしまいます。例えば「あの会社は契約に至るまでは非常に熱心に対応してくれていたのに、契約が取れた途端、急に足が遠のいたね。現金な人(会社)だ」というように。
BtoBビジネスは一過性の取引よりも継続的に取引されるケースが多いので、需要者側にマイナスイメージを植え付けてしまうと、供給者側は需要者側の信頼を回復するまでに大変な労力を必要とします。最悪の場合は、二度と契約に至らない状況になるかもしれません。
では、なぜこのような事態に陥るのでしょうか。
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