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第6回(前編) スターバックスはコーヒーを売っているわけではない!?【連載】マーケティングプランナーのためのソーシャルリスニング

人々に豊かさを提供する――。この信念がスターバックス独自のカルチャーを釀成する。地域との共創、新業態の提案……。同社が実現するあらゆるイノベーションの中心にはこのカルチャーが息づいている。前後編を通じて、スターバック コーヒー ジャパンの本質に迫る。

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「人々に豊かさを提供する」という信念

前野 今回でソーシャルリスニングに関する企業訪問は3回目なのですが、ソーシャルの方針は企業文化と密接に関わっていることが分かってきました。そこで、まず御社のコミュニケーションの方針からうかがいたいと思っています。御社では社員もアルバイトも「パートナー」と呼び、お互いに尊敬と尊厳を持って接し、いわゆる「上下」の関係は撤廃されています。そのような中で組織の秩序を保てるのはすごいことだと思うのですが、これが、「お客さまに感動体験を提供すること」につながっているということでしょうか?


インテグレート 前野有美氏(左)、スターバックス コーヒー ジャパン 執行役員 店舗開発担当 松村壱仁氏(中央)、同 マーケティング・カテゴリー本部 マーケティングコミュニケーション部 WEB/CRMグループ グループマネージャー 長見明氏(右)

松村 はい。ブランドはDNAで語られます。約2500人の社員、アルバイトを入れると2万人以上のパートナーが同じ気持ちになるためには、全員が集まって1つのDNAを作らなければなりません。われわれは、コーヒーではなく「カルチャー」を売っています。そして、「人々に豊かさを提供する」という信念がパートナー全員に浸透しています。そして、このような組織だからこそ、パートナーが働きやすくハッピーになり、心からお客さまのことをハッピーにしようと思えるのです。店舗開発、マーケティングを含む本社部門はお店をサポートし、それを受けて店舗ではお客さまにサービスを提供します。ですから、本社は「サポートセンター」と呼ばれています。これがスターバックスのシステムです。

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