NTTデータ経営研究所、企業のソーシャルリスニングに関する動向を調査:40%超の企業が実施
NTTデータ経営研究所は、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供する「gooリサーチ」登録モニターを対象に、「企業によるソーシャルリスニングに関する動向調査」を実施した。
本調査は2013年6月下旬から7月までの10日間にわたって非公開型インターネットアンケート形式で実施されたもの。有効回答数は408サンプル、回答者の業種は「金融・保険・投資、共済」(18.6%)、「製造」(14.5%)、「情報・IT関連サービス」(10.8%)など10業種以上にわたり、売り上げ高規模最多層は「10億円未満」(37.3%)だった。
本調査によると、6割超の企業が「従来の『顧客アンケート』や『グループインタビュー』などの課題をある程度解決できる」とし、43.4%の企業が「自社の風評や炎上、機密情報の漏えいに対するソーシャルリスニングを実施」しており、また39.5%の企業が「自社の商品/サービスに関する投稿数やポジティブ/ネガティブ件数の定量的な把握」のためのソーシャルリスニングを行っているそうだ。
従来型の顧客アンケートやグループインタビューの課題としては、「無意識に模範的な回答になりがち」(65.7%)というものや、また「サイレントカスタマーの意見を十分には把握できない」(77.7%)というものがある。これに対し、ソーシャルリスニングのメリットとして多くの企業が挙げているのが「タイムリーに顧客の声を把握」(71.8%)、「サイレントカスタマーの声を把握」(69.8%)、「アンケート調査のような質問に誘導された回答でない自然な声を把握」(69.3%)できることだとしている。
ソーシャルリスニングの対象としているソーシャルメディアの第1位はFacebook(36.0%)、第2位はTwitter(30.1%)。そのほかブログ(19.1%)やニュースサイト(16.4%)を参考にしている企業もおり、ユニークなところでは「2ちゃんねるなど掲示板」(9.1%)をチェックしている企業もあるという。またソーシャルリスニング実施の際の海外対象国では14.0%が「米国」を、12.0%の企業が「中国」を挙げている。
ソーシャルリスニングの実施方法としては、32.6%の企業が「分析ツールを導入して自社社員で調査分析」を実施しているとあるが、その一方で65.0%の企業が課題として「ソーシャルネットワークサービスの投稿情報を調査分析する要員が不足」を挙げており、ソーシャルマーケティングのスキルを持つマーケターの育成/拡大が待たれている。
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