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第11回 PRは広告の代わりにはならない【連載】インターネット時代の企業PR

PRは「安価な広告」ではありません。そのような誤解が広まってしまうと、「メディア」「PR担当者」「企業」、いずれも不幸になります。PRと広告は「ある程度違う」ではなく、「全く違う」のものなのです。

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「PRは安価でできる広告なんだろ?」

 ……新製品のネット販売を開始して1カ月経つが、まったく売れない。パブリシティで取り上げてもらえないか。

 PR会社や、PR専門セクションに所属されている方なら、クライアント企業や事業セクションからこういう依頼を受けることは珍しいことではないでしょう。そして依頼時に次のような“条件”を付けられることも……。

 ……Web上のニュースメディアへのパブリシティで製品の効果/効能を紹介してもらってほしい。その際、製品のキャッチコピーである「○○○○」という文言は必ず見出しに使ってほしい。記事中2カ所に販売ページヘのリンクを張ってもらい、最低でも1000アクセスは獲得できるようにしてほしい。

 PRに携わっていらっしゃる方なら、多少うんざりしながらも「あるある」と笑っていただけるのではないでしょうか。

 このような出来事に遭遇した場合、普通のPR担当者であれば「パブリシティはそういうものではないので、できない」と回答するでしょう。さらに良心的な方であれば「デジタル広告であればそれができるので、そちらを検討されてはいかがですか」と返答することもあるでしょう。ただし、この説得は徒労に終わることが多いようです。なぜならその返答の先にはこのようなセリフが待っているからです。

 ……そんな予算はない。1カ月前に使い果たしてしまった。PRは安価でできる広告なんだろ? なんとかしてくれ。

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