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第5回 ペイパーポストが「ナシ」な理由 〜成果指標と情報流通構造から考える〜【連載】インターネット時代の企業PR(1/2 ページ)

ペイパーポストとは、企業がブロガーに金銭を渡し、企業の情報をブログに掲載させるサービスのこと。確かにこういったものを利用すれば、簡単に企業の情報を多数のブログに取り上げてもらうことができます。しかし、それが何になるのでしょうか?

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獲得掲載数が成果指標となり得る理由

 報道機関に情報提供を行い、記事や番組として自社の情報を取り上げてもらうパブリシティプロモートはPRにおいて中心的な活動ですが、この活動の成果指標としてもっぱら設定されるのは獲得掲載数、すなわちその活動によって自社の情報を取り上げた記事や番組がいくつあったか、です。

 もう少し厳密なものとして、自社の情報を取り上げたメディアの広告媒体費をあてはめ、パブリシティプロモートで獲得された記事や番組が、広告費にしていくらの価値があったのかを測る「広告費換算」という成果指標もありますが、大まかな基準となるのはやはり、どれだけの量の記事掲載や番組露出があったのか、という指標です。

 パブリシティプロモート自体はあくまでPR活動における一手法であるため、厳密には獲得掲載数そのものがPR活動全体の成果指標にはなり得ないのですが、実際には獲得掲載数がPR活動全体の成果を左右することも多く、単なる過渡指標とはいえない重要な指標として捉えられています。

 が、この裏には新聞やテレビ、いわゆるマスメディア独特の情報流通構造が隠されていることを忘れてはいけません。

 PR活動の中で、なぜパブリシティプロモートによって記事掲載や番組露出を獲得しなければならないのかといえば、それは記事や番組を通して企業のメッセージを読者や視聴者に伝えるためにそれが必要だからです。

 ということは、パブリシティプロモートの成果指標は本来、企業のメッセージがどれだけ読者や視聴者に伝わったかを測るものであるべきです。

 にもかかわらず、なぜパブリシティプロモートの成果指標として獲得掲載数がもっぱら使われるのかというと、企業のメッセージがどれだけ読者や視聴者に伝わったかを計測するのが困難であるという事情があるのはもちろんですが、「獲得掲載数と企業のメッセージがどれだけ読者や視聴者に伝わったかには相関関係がある」「獲得掲載数の多寡をもってどれだけ読者や視聴者に伝わったかの指標とみなしてよい」という新聞やテレビ独特の情報流通構造をベースとした暗默の了解があるからです。

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