SAPジャパン、クラウド型のCRMアプリケーション「SAP Cloud for Customer」の提供を開始:クラウド市場への本格参入
マルチデバイス対応、リアルタイムのソーシャルコラボレーション機能や国内57万サイト対応のソーシャル分析機能を備え、CMOやマーケティング担当者を支援する。
SAPジャパンは7月2日、クラウド型のCRMアプリケーション「SAP Cloud for Customer」の提供を開始した。SAP Cloud for Customerはマーケティング、営業、サービス部門などの顧客対応業務に関するソリューションであり、マルチデバイス対応、リアルタイムのソーシャルコラボレーション機能や国内57万サイト対応のソーシャル分析機能を備え、CMOやマーケティング担当者を支援する。なお、SAP Cloud for Customerは、同社が6月に発表した「クラウド市場への本格参入」を具現化したソリューションとなる。
SAP Cloud for Customerの構成ソリューションは以下の通りだ。これにより、見込み顧客から顧客へ、そしてプロモーターへと育成していくプロセスを支援するという。
SAP Cloud for Sales:マーケティング/営業部門向けソリューション。設定したターゲットグループに、電子メールやFAXや電話、メールマガジンによるキャンペーンを登録できる。連絡先をマーケティング代理店に配布/共有してターゲットグループメンバーへの連絡やキャンペーンレスポンスの追跡が可能で、マーケティング活動からのリード獲得や案件管理を支援する。
SAP Cloud for Social Engagement:ソーシャルを通じた顧客対応管理機能。ユーザーとの対話に基づいたサービスチケットの自動生成や優先度ベースのチケット管理、世界1億5000万サイトのほか国内57万サイト対応のソーシャルメディア分析機能を提供する。
SAP Cloud for Service:サービス部門向けソリューション。サービスチケットからの見積もりや販売注文の作成、問い合わせ管理、ナレッジ管理、問い合わせ受け付け開始から解決までの期間を迅速化するSLA管理などの機能を提供する。
SAP Cloud for Customerは、オンプレミス型の基幹業務システムSAP ERPや顧客管理システムSAP CRMと連携が可能で、要件に合わせて機能をオンプレミス/クラウドで自由に組み合わせて利用できる。SAPではこれまでCRM分野でも、リアルタイムなワン・トゥ・ワンマーケティングを支援する「SAP Precision Marketing」やソーシャルメディア分析の「SAP Social Media Analytics by Netbase」、ビッグデータによるリアルタイム予測解析「SAP Predictive Analysis」などを提供してきた。SAP Cloud for Customerはこれらの既存ソリューションに加えて、同社が提供するオンプレミス型の基幹システム「SAP ERP」とも組み合わせられるので、要件に合わせて柔軟なシステムを構築できる。
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