ニュース
新興国市場でシェアを伸ばせない日本企業のマーケティング課題:2012年度第3回一橋大学政策フォーラム
「一橋大学グローバルCOEプログラム」によるプロジェクト「日本企業のマーケティング力」の調査/研究成果をもとに、日本企業が海外市場、特に新興国市場で苦戦するマーケティング上の要因を探った。
一橋大学は2月4日、「一橋大学グローバルCOEプログラム」によるプロジェクト「日本企業のマーケティング力」の調査/研究成果を発表した。戦略と組織の関係解明を目指した第1回調査の結果を踏まえて、第2回にあたる今回は、新興国市場における日本企業のマーケティング課題の解明を目指した。
97事業(分析対象は89事業)のマネージャー職(本社での海外現地法人担当者)に「日本企業の海外進出に関する質問票」を送付した。調査前の具体的な問題意識(仮説)として研究チームが持っていたのは以下の2点である。
- 日本企業は、市場が急速に伸びる時期に規模拡大の戦略がとれていないのではないか
- 現地法人が独立王国化し、それが問題を引き起こしているのではないか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 第1回 CMOが日本の組織に馴染まない理由
CMOとは何者か? マーケティングドリブン型組織が持ち得る力とは? マーケティングを軸に組織再編を考える松風里栄子氏の新連載。第1回はマーケティング部門が見直される背景および企業の構造再編を阻む要因を整理する。 - 第2回 グローバル企業のマーケティング組織マネジメント
グローバル企業はどのようなマーケティングマネジメントを志向し、チャレンジし、実践しているのか。3人のグローバルCMOへのインタビューを通じて、その要点と課題を考察する。 - 第3回 CEOは「DNAの存続」を志向し、CMOは「適者生存」を追求する
CMOの役割は「環境変化に対し、的確な判断をすること」、つまり、会社をいかに進化させていくか、その答えを見つけ出すことです――。一休のCMO 汲田貴司氏との対談を通して、CMOの真のあり方を考える。 - 第4回 マーケティングと経営の一体化へ――「ポッカサッポロフード&ビバレッジ」の組織変革の取り組み
マーケティングと経営の融合を考えるなら、組織構造に配慮しないわけにはいかない。新会社「ポッカサッポロフード&ビバレッジ」の戦略企画本部長 征矢真一氏に、新組織の設計意図やその目指すところを聞いた。 - 第5回 CMO機能を実践しよう〜組織改革のすすめ
御社のマーケティング部門は何をマーケティングしているのだろうか? マーケティングを企業としてマネジメントするための処方箋を示す。 - 第6回 “The CMO” Jim Stengel氏に聞くマーケティング視点の組織改革
本連載では、CMO機能が企業の戦略リーダーとなるというメッセージをさまざまな角度から発信してきた。連載最終回である今回は、“The CMO”としてマーケティングに携わる方々ならきっとご存知であろうJim Stengel氏に、戦略リーダーとしてのマーケティングのあり方、企業成長の要諦として氏が掲げる“ideal”(理念)の本質を尋ねた。 - 第1回 衰退する企業と躍進する企業、違いは「事業定義の仕方」にある
「製品志向」で事業を定義する企業は時代の流れに取り残される。米国の鉄道会社のように――。日本アイ・ビー・エム 永井孝尚氏によるマーケティング原論の第1回。 - 第2回 「多機能/高品質なのに低収益」――間違いだらけの顧客中心主義から抜け出す
ターゲット顧客が必要としていなければ、あえてその要素は切り捨てること。そうしなければ、どの会社も同じような商品を作り、多機能/高品質、かつ低収益な商品を数多く生み出し続けることになる。 - 第3回 「価格競争」から「価値競争」へ
「勝者はトップシェア企業1社だけ」「価格に敏感な顧客だけが集まる」「よき顧客は去っていく」――。価格勝負の“泥仕合”がもたらすこれら3つの負の要因を理解すべし。 - 第4回 新製品は売れない。ではどうするか?
アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間には、「キャズム」と呼ばれる普及のための大きな「深い谷」がある。多くの製品がこの谷を越えられずに、消えていく――。谷を飛び越える秘策はあるのだろうか?