東京都の「スーパーでの買い物は3日に1回」自粛要請の効果は?――ipoca調査:今日のリサーチ
東京都知事による「都民のスーパーでの買い物は3日に1回程度に控えるように」という自粛要請はどの程度効果があったのか。GPSデータを分析した結果です。
東京都の小池百合子知事は2020年4月23日に開いた記者会見で、スーパーマーケットなどにおける人の密集を回避するために「買い物は3日に1回程度に」と、さらなる外出自粛を要請しました。知事の呼びかけは都民に届いたのでしょうか。
GPS分析サービス「流動outside」を運営するipocaは、GPS分析データ(注)を用いて東京都に展開する大手スーパーマーケット計132店舗で客の来店回数を調査しました。
注:利用許諾を受けた個人情報に抵触しない匿名加工データ
通常時に当たる3月6〜8日の3日間に3回以上(毎日と同等程度)スーパーを訪れている人の割合は53%でしたが、4月3〜5日(4月7日の7都道府県に対する緊急事態宣言の直前)では69%に増加し、しばらくこの傾向が続いています。これは買いだめを目的とした来店数が増加しているためと考えられます。一方で、4月24〜26日の3日間には約54%に減少しています、このことから、小池知事による「買い物は3日に1回」の呼びかけには一定の効果があったことが認められます。
一方で、何日に1回スーパーに行っているかを見ると、以下のような結果になっています。
知事のメッセージは届いているものの、依然として「3日に1回」からは程遠いようです。ゴールデンウイークでも「おうち時間」が続く中で、むしろ日々の買い物の必要性が増している人も少なくないのかもしれません。
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