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インサイドセールスの成約率は訪問営業と大差なし HubSpot Japanが日本の法人営業の実態を調査今日のリサーチ(1/2 ページ)

HubSpot Japanが日本の法人営業に関する意識・実態調査を実施。ついでに、HubSpot自身の営業スタイルも明かされました。

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 HubSpot Japanは2019年12月2日、マクロミルと共に実施した「日本の営業に関する意識・実態調査」の結果を発表しました。

 同調査でいう「営業」とは法人営業、すなわちB2Bセールスを指します。働き改革の潮流の中で営業の生産性向上はどの企業にとっても避けて通れない課題となっています。一方で、営業はお金が動く部分を担うことから、対面でのコミュニケーションが重視され、それ故に属人的になりがちでナレッジが共有されにくい領域でもあります。

 そうした中で実際に営業の現場がどのような課題を抱えているのか。調査では経営者・役員515人とい法人営業担当者515人、商品やサービスの買い手となる側の経営者・役員・会社員310人を対象に聞いています。

 本稿ではHubSpot Japanが記者向けに実施した発表会からハイライト部分を紹介します。

「営業の無駄」は年間8300億円?

 同調査で営業担当者に「働く時間のうちムダだと感じる時間の割合」を質問したところ、回答者全体の加重平均で25.5%になりました。この数字に国税庁の統計から算出した給与所得者の平均時給と今回の調査で判明した営業の1日当たり平均労働時間、1カ月の営業日数(21営業日)×12カ月、法人営業職の就労人口を掛け合わせた年間の無駄総量は8300億円に上るということです。

 営業に関する業務の中で無駄だと感じるものを選択式(複数回答)で質問したところ、1位は「社内会議」(33.9%)で2位が「社内報告業務」(32.4%)でした。次いで3位が「キーパーソンとの面会ができず再訪問」(26.6%)、4位が「日々の商談の移動時間」(24%)でした。社内での情報共有に関するもの、移動に関するものが無駄になりがちであることが分かります。

「やみくも営業」はいまだに根強い

 キーパーソンとの面会ができず再訪問という回答からは、いまだにアポなしの「やみくも営業」が横行していることもうかがえます。実際、顧客管理の方法を経営者・役員に尋ねたところ「明確ではない/分からない」という回答は39.2%に上りました。

 HubSpot Japan共同事業責任者・シニアマーケティングディレクターの伊佐裕也氏は、やみくも営業が情報共有の課題と直結するものと指摘。そのデメリットについて「買い手側から見れば、複数の担当者から営業を受けてしまうなど満足度低下につながりかねない。また売り手側にとっても、情報が属人化してしまうことで、担当者が辞めると情報が引き継がれないことにもつながる」と述べています。


HubSpot Japan共同事業責任者・シニアマーケティングディレクターの伊佐裕也氏

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