「Criteoアプリインストール」が正式ローンチ:モバイルアプリ向けソリューションをフルファネルで(2/2 ページ)
新規顧客の獲得から既存顧客とのエンゲージメントやリターゲティング、コンバージョンまでを1つのプラットフォームで一括管理可能な「Criteoアプリインストール」の特徴をGunosy、グリーンモンスターの2社による先行導入事例と共に紹介する。
Gunosy「ニュースパス」における新規ユーザー獲得
GunosyはKDDIと共同でニュース配信アプリ 「ニュースパス」を提供している。アプリ開発やマーケティングは「グノシー」「LUCRA」など他のニュースアプリを通じて豊富なノウハウを持つGunosyが担うが、KDDIのauのAndroid端末にプリインストールされており、サービス開始遠くから多くのユーザーを擁する。もちろん、他キャリアのユーザーやiOSユーザーが導入することもできる。
ニュースパスは2016年6月のリリース以来順調にユーザー層を拡大し、1000 万ダウンロード を突破。MAU(月間アクティブユーザー)も安定的に増えている。ニュースはスマートフォンユーザーであれば誰にとっても目に触れることが多いジャンルだ。au端末に組み込まれていることもあって、アプリに詳しくないユーザーであっても自然と利用機会が多くなるのが特徴で、これが広告モデルで事業を行う上で大きな強みになっている。
Gunosyの藤原寛史氏が率いるマーケティングチームのミッションはアプリの利用機会を最大化し、事業収益の引き上げを目指すことだ。インストール数を増やした上で継続的な利用を促し、LTV(顧客生涯価値)を最大化させるためのKPIを再設計して施策に反映させている。
au端末にプリインストールされているという背景もあり、ニュースパスにおいては新規獲得より継続のための施策に多くのリソースを割いているが、新規獲得においてはその分、なるべく運用工数を抑えつつ効率的な獲得を維持することが求められる。そのためにGoogle広告のアプリ キャンペーンに加え、新たな媒体が求められていた。
媒体選定のポイントとしては獲得効率もさることながら、その先の継続的な利用とLTV向上といった目標に対して最適化が可能であること。故にフルファネルで施策を回せることは必須条件だった。また、アドフラウド(広告不正)を排除し、不正が発生した場合の返金交渉になるべく手間がかからないといったことも、運用工数を抑える視点からは重要だ。そうした背景からCriteoアプリインストールのApp Install CPIを導入するに至った。
Criteoアプリインストールは正式ローンチされたばかりであり、まだ成果について評価できる段階ではないが、藤原氏は「規模が拡大する中で配信ボリュームが担保されることに期待している。またゴール設定が柔軟で、アプリ内イベント最適にも対応している点が大きい。Criteoには機械学習のノウハウもあるので、データをためていくことで継続利用に対する最適化も進められると考えている。アドフラウドに関してはゼロにはできなくても配信面の開示を約束していただけるので、問題が起きたときに調査ができる。信頼関係を築く前提が整っている」と語る。
多くの媒体を試したグリーンモンスターがCriteoアプリインストールに期待すること
グリーンモンスターはFXや株式投資を中心としたライフスタイルアプリを提供している。その中の一つである「FXなび」のマーケティングを担うのが室町智之氏だ。
FXなびは、FX入門のマンガコンテンツやFX関連ニュースを提供している他、FXの取引をゲーム(デモトレード)の中で疑似体験してもらうサービスを提供。ここでFXに興味を持ったユーザーを広告主に送客するビジネスモデルを採用している。ユーザー層は20〜40代の男性が中心だ。
マーケティングチームでは主要な媒体の広告運用をインハウスで実施している他、ASO(アプリストア最適化)対策も担当している。また、アプリ内で売り上げのKPIとなるイベントの分析も行う。
マーケティングを内製化している理由はクリエイティブのPDCAサイクルを高速化できることと製品理解の部分で情報共有がしやすく魅力的な訴求ポイントを洗い出しやすいこと、加えてコストメリットだ。
有名な媒体を一通り試す中で昨今はやれることはやり尽くした感もあり、室町氏は獲得につながる新たな媒体を探していた。また、ROAS(広告費用対効果)を高めるためインストールしてくれたユーザー経由での売り上げを意識する必要もあった。
新しい媒体を使う上ではアドフラウド対策も気になるところだった。過去に問題が生じた媒体では情報を開示してもらえないことが多く、結果としてそのような媒体には以後の出稿を控えるという対策しかできなかった。獲得の効率や継続率もさることながら、情報の透明性を大事にする媒体を待望していたところ、Criteoアプリインストールに出合ったというわけだ。
現時点ではCriteoアプリインストールにおけるターゲットCPIは低めに設定して運用している。それでもインストールは発生し始めており、今後は単価を上げて利用を拡大する予定だ。また、アトリビューションについても現在はクリックスルーを採用しているが、重要イベントの発生率などに問題がなければビュースルーへ評価軸を変えていきたい考えだ。
「入門向けのアプリなのでライフタイムは短いが、早期に離脱したユーザーに向けて復帰を促して収益化に結び付けることもやっていきたい」(室町氏)
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