「Criteoアプリインストール」が正式ローンチ:モバイルアプリ向けソリューションをフルファネルで(1/2 ページ)
新規顧客の獲得から既存顧客とのエンゲージメントやリターゲティング、コンバージョンまでを1つのプラットフォームで一括管理可能な「Criteoアプリインストール」の特徴をGunosy、グリーンモンスターの2社による先行導入事例と共に紹介する。
Criteoは2019年11月19日、モバイルアプリ事業者向けの新たなサービスとして「Criteoアプリインストール」の提供を開始した。
モバイルアプリ広告(アプリ事業を営む広告主がアプリ媒体またはWebに出す広告)はCriteoが2019年の注力分野として掲げている領域だ。もともと提供してきたアプリ内のダイナミックリターゲティング広告(行動履歴に基づく商品単位での訴求)やリエンゲージメント広告(アプリをインストールしてはいるものの長期間アクセスのない既存ユーザーに対して再度の利用を促す広告)に加え、今回のCriteoアプリインストールでは、Criteoの強みである購買行動に特化したビッグデータ(Criteoショッパーグラフ)と機械学習を活用し、まだアプリを持っていない新規顧客を見つけてインストールを促すサービスを提供する。
同サービスは既に一部の広告主に対して提供してきた(関連記事:「Criteoがモバイルアプリ広告事業を強化、新規獲得と既存顧客活性化のためにできること」)。今回の発表はこれを2018年に買収したManageのアプリインストール広告ソリューションと統合して正式なプロダクトとしてリリースするものだ。Criteoは従来、小売や旅行、不動産、人材などの業界に多くの顧客を抱えるが、今後はここにManageが得意にしてきたゲームやデジタルコンテンツ企業などアプリファーストの顧客を加えることを狙う。
Criteoアプリインストールの特徴
Criteoアプリインストールは「App Install CPC」と「App Install CPI」の2つのサービスで構成される。両サービスはそれぞれの名称にある通り課金体系がCPC(クリック単価)かCPI(インストール単価)という点で異なる他、配信先や配信対象ユーザー、配信されるクリエイティブに違いがある。
前者はCriteoの既存のサービスをアプリ向けにしたもので、ECや旅行、不動産、人材などの事業者の利用を想定している。データフィードを活用したダイナミックバナーが使えるのが特徴で、CPC課金を基本としつつもターゲットCPIを設定して入札を自動化することもできる。主要なSSPやアドエクスチェンジと接続してほぼ全ての在庫にアクセスできる他、Criteoが独自に開拓するダイレクトパブリッシャーの在庫も増やしていく予定だ。
後者は旧Manageのプロダクトを基にしており、アプリファースト企業向きだ。配信面はアプリのみ。広告の成果に透明性を持たせることを重視しており、アトリビューションを広告主側で定義できる点が独特だ。クリックが必須なのか、単純に広告が見られた後にインストールが発生したらそれを成果と見なすのか、動画ならどのくらいの視聴されていればいいのかといったことを設定できる。また、要望があればどの面に配信されたか全て情報を開示する用意があるという。また、課金はCPIだが配信面の買い付けはCPM(インプレッション単価)で行われる。これはつまり、広告主にとっての「ムダ打ち」のリスクをCriteoが背負うことを意味するともいえる。
モバイルアプリ向け広告をフルファネルで
わざわざアプリを導入し使い続けてくれるユーザーのエンゲージメントを高めていくことはロイヤルカスタマーを生むことにつながる。とはいえ、やみくもにインストールを増やしたところでアプリが使われなければ意味がない。LTV(顧客生涯価値)向上のためには、ビッグデータと機械学習でロイヤルカスタマーになりそうなユーザーを予測して効率的に広告を出し、インストールされた後も適切な施策で利用を促すといった、一貫したキャンペーン管理を実現することが重要だ。
こうしたワンストップのサービスはこれまでGoogleやFacebookなどの大手プラットフォームが提供してきたが、Criteoアプリインストールの追加により、モバイルアプリ広告においてもフルファネルのサービスが実現可能になったことで、アプリ事業者の施策に選択の幅が広がったといえそうだ。
本当のところ、その使い勝手はどうなのか。Criteoアプリインストールの記者向け説明会に先行導入企業であるGunosyとグリーンモンスターの2社の担当者が登壇し、語った。
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