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音声検索の普及がビジネスに与える影響とは何だろうか音声検索の時代 前編(1/2 ページ)

台頭する音声検索に企業のマーケティングはどのように対応していくべきか。デジタルナレッジ管理(DKM)プラットフォームを提供するYext幹部による特別寄稿前編。

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 コンピュータと会話することは、長い間、現実離れしたことと思われてきました。例えば、映画『2001年宇宙の旅』に登場する「HAL 9000」や『スター・ウォーズ』の「C-3PO」のように、考えたり人間と話したりする機会は、SF映画や未来の空想世界の中で語られてきました。しかし、現実にもAppleの「Siri」やGoogleの「Google Assistant」、Amazonの 「Alexa」のような音声に反応するバーチャルアシスタントが、急速に日常生活の一部になりつつあります。

 もちろん、C-3POのような完璧なロボットの使用人が今すぐに実用化することはないでしょう。しかし、音声認識技術は飛躍的に向上しています。「Amazon Echo」や「Google Home」など音声対応デバイスも普及し始め、機械に何かを質問し、機械がその問いに答えてくれるといった光景は既に現実のものとなっています。


Amazon Echo

Gooogle Home

 このようなデバイスにおける音声検索とは、従来の文字による検索と、結果の表示の方法や検索のアルゴリズムが異なります。また、音声検索が台頭すると人間の消費行動もその影響を受けます。音声検索を利用する人々の行動に影響を与えたい企業は、これに対応していく必要があります。台頭する音声検索に企業のマーケティングはどのように対応していくべきか、それを考察してみましょう。

速くて正確な音声検索は日本語にも向いている

 Googleによると、モバイル検索の5件に1件は、既に音声検索によってなされています(外部リンク/英語、以下同)

 音声検索の利用率は、今では驚くほど高くなっているのです。しかし、人々が音声検索を利用する理由を考えれば、それほど意外な数字ではないことが分かります。

 なぜならば、しゃべるのは文字入力するよりも速くて簡単だからです。実際、スタンフォード大学による最近の調査では、現在の音声認識技術による検索は、タイピングによるそれに比べ、3倍も速いことが分かりました。

 こうした調査の多くは米国で実施されていますが、音声検索が最も恩恵を受けるのは、日本などの象形文字ベースの言語が使われている国だと思われます。

 前述のスタンフォード大学による調査では、音声認識とタイピングとの比較を、英語と中国語で行いました。両言語とも、音声認識による入力の方がタイピングのそれよりも同程度速い結果(英語では3倍、中国語では2.8倍)が出ましたが、両言語間における本質的な違いはその正確さでした。英語の場合は、音声認識での入力エラー率は、タイピングよりも20.4%低かったのに対し、中国語の場合は63.4%も低かったのです。

 日本語の場合も、漢字に変換する際に間違いが起こりがちなのは誰もが実感していると思います。象形文字ベースの言語が利用されている市場で、タイピングの代わりに音声認識を利用することは、実用的なメリットであり、すでに活用されています。音声認識を利用する日本人の57%が、タイピングを避けるために音声認識を利用していると答えています

 音声認識は、人間がAIやコンピュータと対話するのに非常に便利です。実際、音声認識を利用している世界のユーザーの43%は音声アシスタントを大いに気に入り、「本物の人間だったらいいのに!」と思っているのです。

 日本の状況はというと、少なくとも週に1度は音声検索を利用しているスマートフォンユーザーの割合を見ると、既に世界平均よりも高くなっています。音声検索の利用率は、これから間違いなく上がっていきます。こうした状況に対応できるよう、企業は準備する必要があります

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