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新規Webサイトで「いきなり高速PDCA」は可能か?――「THEO」の事例に学ぶ【連載】小川 卓の「高速PDCA」入門 第3回(1/3 ページ)

高速PDCAの実践に先進企業はどう取り組んでいるのか。今回は実際に筆者がWebサイト改善に関わったお客さまの事例について、対談形式で紹介します。

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 これまでの2回の連載では、PDCAの重要性やうまく回すためのポイント、組織での効果的な取り組みについて紹介しました。今回は実際に筆者がWebサイト改善に関わった顧客の事例について、対談形式で紹介します。PDCAの理論的な部分は理解していても実際に取り組んでみると思うようにいかない……といった課題を抱える方、その中でも特にWebサイト開設のタイミングからPDCAを回すというミッションを担う方へ向けて、ヒントに満ちた内容になっているかと思います。

 今回話を聞いたのは、資産運用サイト「THEO(テオ)」を運営する、お金のデザインの梶田岳志氏です。

「THEO」の目的とチーム体制

梶田さんと小川さん
写真左が筆者、右がお金のデザイン Head of Product 梶田岳志氏

小川 まずは御社のWebサイト「THEO」の目的を教えていただけますか。

梶田 弊社は資産運用サービスを提供しています。その中でTHEOは、今まで投資の経験がない方に投資を始めてもらうこと、そして始めた投資を継続してもらうことを目的に運営しています。

 日本は欧米に比べて個人(家計)におけるリスク資産(※1)の割合が低く、貯金の割合が高いといわれています。当然ながら貯金=日本円で持っているお金ということになるのですが、この場合利子に期待することはできませんし、高齢化や人口減といった問題を抱える日本は他国に比べて経済成長率が低く、インフレのリスクもあります。つまり、お金を(日本円での)貯金に集中させることには、せっかくためたお金の価値を低下させてしまうリスクが隠れているのです。

※1. 株式や社債、証券化商品、コモディティ、不動産など、元本変動がある投資商品や、将来の収益の予想が困難な資産のこと。

 そこでTHEOでは、今すぐは使わない資産を分散投資することで、成長できる資産にしてほしいということを提唱しています。リスクを取れということではなく、少なくとも世界と同程度、年間で3〜8%程度成長するような資産を持ちましょうという考え方です。

小川 THEOを運営するうえでの梶田さんの役割と、全体のチーム体制を教えていただけますか。

梶田 私の立ち位置はプロダクトマネージャーです。最初にお伝えした「投資を始めるハードルを下げ、始めたら続けてもらう」というTHEOの目的を考えた時に、プロダクトがどのようなものであるべきかを考え、実際に作っていくところまでを担当しています。エンジニアは専属の2人、社内横断的にインフラ面の整備を担当するメンバーが2〜3人、プロモーションと集客の担当が2人です。

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