第2回 DSPデータとインバナーサーベイの回答結果を掛け合わせて見えたもの――ネットブランディング計測の可能性:【連載】インターネットはブランド広告を変えるのか?
「第1回 ネット広告でブランドコミュニケーションは無理!!(なのだろうか?)」では、ブランディングにおけるインターネット広告の可能性を考えました。今回はさらに一歩踏み込んで、インターネット広告がブランディングに及ぼす影響を測定するための実験的な取り組みをご紹介します。
以前、DSPを活用していらっしゃる某化粧品メーカーさまから、「スキンケア商品で機能訴求のキャンペーンを行う予定だが、どんな人がどの程度関心を持ってくれたのかを定量的に把握したい」という相談がありました。この依頼に対し、DSPデータとインバナーサーベイを組み合わせて分析することを提案しました。
DSPはざっくり言えば「1人ひとりどんな人かを判別して、広告を出す仕組み」です。前回ご紹介したインバナーサーベイ(広告枠にアンケートを掲出し、回答を得る調査手法)と、このDSPの裏側にある膨大なデータとを組み合わせることで、“ブランド認知”や“好意度”といったブランド指標と、態度変容した人のユーザープロファイルが分析できるのではないかと考えたのです。
結果、今後のネット広告でのブランディング活動にとって重要な示唆が得られたので、ご紹介します。なお、お客さまのご希望により、商品名、詳細データなどは非公開とさせていただきますのでご了承ください。
分析対象商材のスキンケアブランド商品は、当該カテゴリでは、先行する競合商品の認知度にまだまだ追いついていないのが現状のため、マーケティング課題としては、
- 非ブランドユーザーへの認知、機能訴求
- ブランドユーザーだが、この商品はまだ使ったことがないユーザーへのサンプル配布による利用意向獲得
の2つを想定していました。広告配信には4種類のバナー素材を用い、オーディエンスターゲティングとリターゲティングで、それぞれの課題に対応しています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
第1回 ネット広告でブランドコミュニケーションは無理!!(なのだろうか?)
「ブランド認知」「イメージ理解」といった消費者の意識変容をインターネット広告はどのように計測するのだろうか。インターネット広告におけるブランディング効果の可能性を探る新連載。前編 結果ありきのデジタルマーケター、抽象化したがりのトラディショナルマーケター
デジタルマーケティングとトラディショナル(アナログ)マーケティング、その根本的な違いは? 両者が分かりあえると何が起こるのか? マーケティングデータ分析のスペシャリストの視点から考えてみたいと思います。後編 デジタルマーケターとトラディショナルマーケター、データを巡る「ちょっとした」視点の違い
デジタルマーケターとトラディショナルマーケターでは数字を見る視点が異なります。その違いは些細なものですが、そんな「ちょっとした」視点の違いがそれぞれを“遠い存在”として認識させてしまっているのです。第1回 CTRの真実――そのクリックは「良質なユーザーの良質なクリック」ですか?
「CTRを高めること」+「コンバージョンレートを上げて、CPC単価を向上させること」――。良質なユーザーの良質なクリックをどれだけ多く獲得するか。スマートフォンメディアで収益を拡大するにはこのポイントを忘れてはいけない。第3回 成果はWebでのコンバージョン? アプリインストール?
連載「日本経済を変えるスマートデバイスマーケティング」第2回では、マーケティング施策を展開する上で把握しておくべきスマートデバイス端末やユーザーの特徴を整理した上で、それぞれに効果的なマーケティング手法を解説した。第3回ではより具体的なマーケティング展開例を紹介する。電通と富士通、ビッグデータを活用したマーケティング領域の事業で協業
電通と富士通は、ビッグデータを活用したマーケティング領域の事業で協業すると発表した。2016年のRTB市場規模は2011年の16倍超へ――マイクロアド調べ
マイクロアドによると、RTB経由による国内のディスプレイ広告市場は、2016年で1000億円超に達する見通し。マイクロアド、「BLADE Open App Market(ブレード オープン アップマーケット)」を創設
マイクロアドは4月2日、ディスプレイ広告の統合管理プラットフォーム「MicroAd BLADE(マイクロアド ブレード)」をオープン化し、「BLADE Open App Market(ブレード オープン アップマーケット)」を創設すると発表した。オンラインブランド広告、普及への挑戦――YouTubeの取り組み
グーグルが2013年2月に行ったキャンペーン「クリエイティブウィーク 〜Beyond Click〜」の結果を通して、インターネット広告におけるブランド訴求効果の可能性を考えます。自治体はFacebookをどう活用しているのか? 3自治体の責任者に本音を聞く
「WOM MARKETING SUMMIT 2013」(2013年5月27日、アカデミーヒルズ)のメソッド委員会セッション「自治体はFacebookをどう活用しているのか? 3自治体の責任者に本音を聞く」に登壇したのは、福岡市、流山市、浜松市のソーシャルメディア(特にFacebookページ)運用担当者である。それぞれの自治体には、地域特性に根ざした運用目的が存在し、実際の運用方法も各者各様の工夫が凝らされていた。