コロラド歴史センター、IBM Big Data Analyticsで美術館の来館経験向上を実現:来館者の嗜好も把握
入館データやプログラム販売データ、物販、併設されているカフェでの飲食や会員セールといったさまざまなデータをリアルタイムに処理し、来館者の嗜好や購買活動の傾向を把握できるようになった。
米IBMは6月19日、コロラド歴史センターにIBM Big Data Analyticsを導入したと発表した。同センターは2010年に閉館した後、昨年装いを新たに一般公開されたもの。コロラド州の歴史遺産などを最新のインタラクティブ技術を利用して展示し、子どもを連れた家族向けに歴史ストーリーを聞かせるといった工夫を凝らしている。そんな同センターではIBMのビジネスパートナーであるBrightStar社に委託し、新POSシステムとIBM Data Analyticsとを協調させた新システムを開発した。
これによりコロラド歴史センターは、入館データやプログラム販売データ、物販、併設されているカフェでの飲食や会員セールといったさまざまなデータをリアルタイムに処理し、来館者の嗜好や購買活動の傾向を把握できるようになった。以前は販売したチケットの種類でしか来館者の傾向をつかめなかったが、新システムで分析したところ、40%が家族連れということが判明し、教育向け展示に切り替え、好評を博している。
現在同センターではチケットや物販、飲食などさまざまな観点から来館者の傾向を把握できる単一ビューを整備し、従業員や経営層が日々利用している。また来館者がFacebookやTwitterに投稿した来館の感想もIBM Big Data Analyticsに取り込み、来館者ごとにパーソナライズした来館経験を構築するために利用しているという。
コロラド歴史センターでCOOを務めるキャスリン・ヒル氏はIBM Big Data Analyticsについて「過去の流れから現在の状況をより良く理解できるようになり、将来に向けての意思決定を行えるようになった」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 高級旅館「柊屋」から学んだおもてなしをWebの接客で再現する
Webにおいてユーザーを「おもてなし」するポイントは、ユーザーがいかにその分野に習熟したかという「熟練性」と「ユーザー同士の関係性」を目に見える形で提示することです。 - ローソン、ビッグデータ分析で「街」をもっと幸せに
日本IBMの「CMO+CIO Leadership Forum」ではユーザー企業の講演も行われ、「Pontaカード」を活用して顧客の理解を深めるローソンの玉塚COOがステージに上がった。 - 位置情報の活用による購買、行動体験のロードマップを発表、野村総研
野村総合研究所(NRI)は11月27日、2017年度までの「位置情報の活用による顧客/生活者向けサービスの進化と、そのインパクト」を予測した「ITロードマップ」を発表した。 - クリエイティブホープ、カフェやスーパーなどを対象にしたO2Oソリューション「O2Oコマース」を提供開始
Webコンサルティングを手掛けるクリエイティブホープは、スマートフォンを活用し、プレオーダー、キャッシュレスなどに対応した新機能を備えたパッケージ「O2Oコマース」の提供を、2013年4月18日より開始したことを発表した。