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世界を狙えるビジネスに――ミクシィ、DSP参入の勝算:SNSのmixiがなぜ、今、DSPなのか
SNS「mixi」を運営するミクシィが、DSP事業に参入した。特徴は、mixi IDを使った精度の高いターゲティング。DMPと統合したDSPとして、海外進出も見込む。
SNS「mixi」を運営するミクシィがこのほど、オンライン広告取引プラットフォーム(DSP)事業に参入した。mixi IDのユーザーデータを生かし、高精度にターゲティングできるDSP「Vantage」を構築。1インプレッション単位で広告枠を競争入札するRTB(Real Time Bidding)機能も備え、広告主のプロモーションに適した最適なメディアに配信するとうたう。
配信先はmixi内にとどまらない。配信先のSSP(Supply Side Platform)として、ユナイテッドのスマートフォン特化型広告配信SSP「AdStir」(アドステア)を採用。月間インプレッションが100億を超えるという国内最大級のプラットフォームに、mixiのユーザーデータをいかしたターゲティング広告を配信できる仕組みだ。
将来的に目指すのは、広告主各社が持つさまざまなデータとDSPを掛け合わせ、最適な広告配信を行うデータマネジメントプラットフォーム(DMP)の提供だ。mixi IDにとどまらず、各社がオウンドメディアやソーシャルメディアなどで蓄積してきたユーザーデータとDSPを融合。目的に応じた広告配信が可能なビッグデータのマネジメントプラットフォームを提供していきたい考えだ。
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