第6回 マーケティングはよりITの領域へ:【連載】ビッグデータアナリティクス時代のデジタルマーケティング(1/2 ページ)
マーケティングを取り巻く環境が変容しつつある。「クリエイティブ」の力は依然として重要だが、「IT」の力もそれ以上に必要とされるようになってきた。最終回の今回はこれまでの連載を振り返りつつ、強まり始めたマーケティングとITとの結びつきを改めて見直す。
全6回でお送りした本連載も今回で最終回を迎える。最終回ということなのでこれまでの連載を振り返ってみることにしたい。
まず、グーグルトレンドでビッグデータというキーワードがどの程度世の中に認知されたのかを推測するために、すでに一般的に利用されているソーシャルメディアとビッグデータの検索数をグーグルトレンドで検索してみた。
対象期間は2011年1月から2012年12月までの日本国内を対象とした。2011年時点では、ソーシャルメディアの検索数が圧倒的に多く、ビッグデータというキーワードは一部でしか認知されていないキーワードであったことがうかがえる。しかし、2012年に入ると急速にビッグデータに関する関心が高まった。2012年後半にはソーシャルメディアよりもビッグデータの検索数の方が上回るようになった。
ソーシャルメディアという単語が浸透したため、その用語を調べる人が減ってきたということも関係するだろうが、IT業界の中では昨年1年でビッグデータというキーワードは耳慣れた言葉になったように思う。総務省でも「ビッグデータの活用に関するアドホックグループ」が結成され、ビッグデータ活用が議論された。
では、ビッグデータの活用が進んだかというと、そうではない。EMCは昨年末、デジタルユニバースに関する調査報告書で、ビッグデータのうち、活用されているデータは0.5%に過ぎないという調査結果を発表した。
本連載の「第2回 世の中のあらゆる事象を数値化し、ビジネスに反映させる」と「第3回 マーケターのためのBI入門――その背景から活用分野まで」でお伝えしたが、モバイルとソーシャルメディアが生み出す未曾有の量のデータは、現在進行形でクラウドや企業ネットワークに蓄積され、それらをストックする技術もまた採用されているが、実際の活用には至っていないということだ。
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