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第2回 世の中のあらゆる事象を数値化し、ビジネスに反映させる【連載】ビッグデータアナリティクス時代のデジタルマーケティング(1/2 ページ)

世の中で起きているあらゆる事象を数値化し、ビジネスに反映させるにはどうすれば良いか? 情報処理速度数msというポテンシャルを活かせば何ができるのか? デジタル技術の革新により、今や、マーケターには常識を超える想像力が求められている。

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 前回の記事「ビッグデータアナリティクスの全体像」では、ビッグデータとはアンブレラターム(総称)であり、ソーシャルメディアやスマートデバイスの普及により大量のデータ発生源が登場したこと、このキーワードが誕生し、注目される背景を説明した。

 今回は、前回紹介したBigdata Analyticsのシーケンスの各フェーズを掘り下げていくことで、ビッグデータアナリティクスの時代に「何が」できるようになったのかを見ていく。

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Bigdata Analytics のシーケンス

情報検知/入力

 ビッグデータアナリティクス時代黎明期の現在、マーケターにとって最も重要な部分は、この新しい時代に対応する「情報検知/入力」の仕組みを確立することかもしれない。

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情報検知/入力フェーズ

企業内で発生するデータ

 現在、一般的に企業が保有しているとされるデータは構造化データが大半を占めている。例えば、顧客情報、経理情報、販売情報、在庫情報、物流情報、人事情報などのデータベースに格納することを前提として作成されたデータだ。フォーマットも各企業内で統一されており、データベースにとっても扱いやすい形となっている。

インターネットから発生するデータ

 Webはそもそも情報の取得が簡単なため、多くの企業がアンケートフォームやメールマガジンを活用している。ITリテラシーの高い企業の中には、Toolbarを利用したURL閲覧履歴の取得、ユーザー認証による閲覧履歴の取得、ページごとの視聴属性の取得といった高度な情報収集を行っている企業も存在する。

 すでに多くの事例が存在するWeb上の情報検知/入力手段だが、ビッグデータアナリティクス時代となり、ソーシャルメディアから発生する「人の話し言葉」や「ブログの記事」「スマートデバイスで記録される画像や動画、音声」といった新たな情報発生源を対象とすることが可能になってきている。これらの新しい情報発生源から生まれるデータは、データベースに格納することを前提としていない非構造化データであることが特徴だ。

現実空間から発生するデータ

 センサーネットワークやスマートシティで発生するデータ。個別には構造化されていても、多種多様なセンサーからフォーマットの異なるログが発生する。センサーによっては画像や動画、音声といった非構造化データも対象となる。

 代表的なものを列挙する。

人の動作(モーション)の記録

Microsoft Kinect

Leap Motion

人の健康の記録

体重計(タニタ|インタースキャン)

移動距離の取得

スマートデバイスに搭載されたGPS

自動車に搭載されたGPS(本田技研「internavi」)

NIKE+

PasmoやSuicaによる改札通過履歴

店内移動経路の把握

RFIDタグによる行動トレース

決済情報の取得

NFC

各種ポイントシステム

POS

テレビの視聴情報の取得

リモコン

HGW、STB


 数え上げればきりがないが、ICチップの小型化、省電力化、スマートデバイスの高機能化など、さまざまな要因によって、日常生活の至る所で情報が記録され、それらがネットに送信されている。

非構造化データ、現実空間の情報を活かす「想像力」

 情報を取り込む方法が急速に増加する中で、スマートデバイスを情報入力インターフェイスとし、非構造化データを取り扱う先進的な米国スタートアップのCrowdOpticを紹介しよう。

 CrowdOpticはAR(拡張情報)を利用した情報提供ツールだ。CrowdOpticを起動し、ライブ会場で観客が選手にスマートフォンを向けると、そこに映った対象物の情報が提供される。例えば、選手の打率や過去のチームの戦績データだ。ここまでなら、実現しているアプリケーションは他にもあるが、CrowedOpticの狙いは、「Focus-Based Technology」という技術を利用してスマートデバイスを利用者の「視線」とすることで、「今」「誰が」「どこに」注目しているのかを把握することだ。

 この機能を利用し、ある時間、ある場所で「同じ対象物」にフォーカスしている人達をクラスターとしてディスカッションするサービスを提供する。例えば、野球チームのスタジアムでイチローにフォーカスしている観客と、ダルビッシュにフォーカスしている観客であれば、同じスタジアムに来ている観客であってもお目当ては異なるだろう。お目当が共通するファン同士を結び付けることで、新たなコミュニケーションチャネルが開拓される。

 また、クラスターの特徴を分析することで「その場で注目されていたのは何か?」というマーケティングデータを取得することを実現している。

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CrowdOptic

 スマートデバイスやその他のセンサー技術を組み合わせる、あるいは単独で利用することでも、今まで入手することのできなかった情報を得ることができる。企業内で発生するデータだけに頼っていたのでは、競合他社に情報量で大きな差をつけられるリスクが存在することを認識すべきである。これらの新しいテクノロジーを活用する想像力が、マーケターに求められていると言えるだろう。

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