第6回 日本のBtoBマーケティングはデジタルの領域が弱すぎです:【インバウンドマーケティング対談】高広伯彦+大元隆志
「BtoBのビジネスは、BtoCに比べて、海外の同種の企業との勝負がけっこう起きてくるわけですよ。なので、日本企業が海外のBtoB企業と同様の武器を手にしないと負けてしまうわけで、これは深刻な問題です」
マーケティングのガラパゴス化への懸念、コンテンツマーケティングのバズワード化がもたらす懸念
高広 海外だとこうした取り組みが当たり前なのは、インバウンドマーケティングも同様です。例えばですよ、インバウンドマーケティングというのは、第一段階として行うのは、有益なコンテンツをネット上に提供し、結果として見込み客を得るというものなので、コンテンツさえターゲットとする国にあったものを作れば、日本にいながら海外からのリード(見込み客)を得ることができるわけです。でもこれって、アメリカではアメリカにいながらアメリカ以外の国の企業のリードを取るのは普通のことですし、フィリピンの会社がヨーロッパの企業の仕事を得るなんてこともネットでは普通にできることですよね。日本以外の国ではそういうマーケティングが普通に行われている。このような世界でどのようなマーケティングが行われているのかの状況を考えると、日本のBtoBマーケティングは特にデジタルの領域が弱すぎです。BtoBのビジネスは、BtoCに比べて、海外の同種の企業との勝負がけっこう起きてくるわけですよ。なので、日本企業が海外のBtoB企業と同様の武器を手にしないと負けてしまうわけで、これは深刻な問題です。なのでマーケティングエンジンを作ったわけですけど。でも海外で普及している、ないしは海外向けのマーケティングでも通用するツールを日本企業が使わないと、マーケティングにおけるガラパゴス化の危惧があります。
あと、大元さんも気にしてると思いますが、もう1つ危惧することとして「コンテンツマーケティング=記事広告」というようなニュアンスで、記事広告が売られている印象があることですね。
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