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AI・ARで「探索」 人より商品とつながるSNSの行く末――2025年のSNS大予測(Pinterest編)Social Media Today

ビジュアル探索プラットフォームとしての独自の道を進み続けるPinterestはもはやSNSではないかもしれないが、その進化の方向性はマーケターにとっては無視できないものだ。

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 Pinterestはもはやソーシャルアプリではなくビジュアル探索プラットフォームとしての独自の道を進み続けている。Pinterest自身、アプリの焦点がユーザーエンゲージメントから商品の表示に移行していることを何度も指摘している。

 しかし、それでも業界全体ではいまだにソーシャルネットワークとみなされており、Pinterestも同系統のさまざまなプロモーションオプションを提供している。Pinterestで他の人とつながることはもはやそれほど重要ではなくなったが、ソーシャルディスカバリー機能は促進しており、2025年はさらにそれを強化しようとしている。

AIお試しツールをさらに強化へ

 2024年初め、PinterestはAIを搭載した新しい「ボディタイプ選択」を検索に追加し、さまざまな体型に合わせた画像や使用例をより多く提供することで、オンラインショッピングプロセスを改善している。

 AIの要素は画像マッチングにあり、プラットフォームに投稿された画像の中から関連性のあるものを発見する。

 これは、Pinterestの進化する検索ツールの最新のアップデートであり、ユーザーがアプリ内でより多くの情報に基づいた購入の選択ができるように設計されている。2025年にはPinterestがこの要素をさらに構築し、より多くのAR試着オプションを追加して、同じことを促進すると予想される。

 Pinterestでは、家具の一部をバーチャルに自宅に配置したり、化粧品をテストしたりできる機能がすでに提供されている。さらに、肌の色や髪質で検索を絞り込むオプションもある。

 今後、PinterestはAIを活用したこれらのツールをさらに多く投入し、探索機能を向上させると予想される。これは、アプリ内で商品を訴求したいブランドにとってもメリットとなるだろう。

カタログ取り込みを簡素化

 Pinterestはアプリ内の品ぞろえを拡充するため、小売業者によるアイテムのアップロードを推進している。具体的には、カタログ取り込みプロセスを改善し、商品情報をアプリに直接フィードする仕組みを構築している。

 Pinterestは2025年にこのプロセスをさらに簡略化し、ブランドがWebサイトのURLを指定するだけでアプリ内に商品リストを作成できるようにする予定だ。

 Googleはすでに同様の方法で商品情報を収集しており、Webサイトに掲載されている情報から商品情報を取得している。Pinterestが同様の機能を提供できれば、Pinの存在感を高める大きな一歩となり、より多くの企業がPinterestにアイテムをリストアップするようになるだろう。

 さらに、ビジネス関連のトレンド商品に関する情報提供や、特定の商品購入において消費者が重視する点をAIが解説する機能などを提供することも考えられる。

ARグラスとの統合

 私は何も、Pinterestが独自のARグラスを作ると言っているわけではない。しかし、AR技術の普及は目前に迫っている。Pinterestも各種ARデバイスと連携可能な独自のARツールを開発することで、この機会を生かそうとするだろう。

 連携先の最有力候補として考えられるのが、MetaのARグラスだ。MetaのARエコシステムがどの程度オープンになるかは不透明だが、もしMetaがARプラットフォームをサードパーティーに開放するのであれば、PinterestがMetaデバイス向けのAR表示オプションを提供するのは理にかなっている。例えば、Pinを選択し、鏡に映る自分を通してARグラス越しに見ることで、服の着こなしを確かめられるようにするなどだ。Pinterestはすでに店舗向けには同様のツールを提供している。

 今後ARが普及していくにつれて、この方向への展開は自然な流れとなるだろう。必要なAR機能はすでに備わっており、あとはそれをウェアラブル環境に実装するだけなのだから。

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