「Adobe Sensei」が横型動画を縦型に、他 「Adobe Experience Manager 6.5」はここが新しい:機能強化のポイントまとめ(1/2 ページ)
「Adobe Experience Manager 6.5」における機能強化の3つのポイントとは。
アドビ システムズ(以下、アドビ)は、「Adobe Experience Cloud」のデジタルコンテンツ管理ソリューション(CMS)である「Adobe Experience Manager(AEM)」の最新版「Adobe Experience Manager 6.5」を2019年4月に提供開始すると発表した。本稿では2月22日に開催された記者向けの説明会から、新版の特徴を簡潔にまとめてお伝えする。
企業が顧客とコミュニケーションを取るための接点はますます拡大している。スマートフォン、PC、タブレットと複数のデバイスをまたぐのは当たり前。アドビの調査では46%の消費者が同時に複数デバイスを利用した経験があるという。
同じデバイスでもWebサイトからアクセスする人もいればアプリを使う人もいる。企業が情報を発信するメディアも、ペイドメディア(広告)、オウンドメディア、アーンドメディア(ソーシャルメディア)とさまざまだ。店舗や屋外の接点もデジタルサイネージの導入が進み、IoTの活用を視野に入れた取り組みも増えてきた。
今やマーケティング部門は膨大なデジタルコンテンツの管理を迫られている。Web担当、アプリ担当、サイネージ担当などがそれぞれでコンテンツを加工し、配信するという従来のワークフローでは一貫した顧客体験を提供することは難しい。
そうした課題に対し、それぞれのチャネルに合った形で直接コンテンツ配信を実現しようというのが、今回のアップデートの狙いだ。
AEMはコンテンツをページ単位ではなくコンポーネント単位で管理できるところに大きな特徴がある。もともとさまざまなチャネルへコンテンツ配信をするのに長けているCMSであったが、今回の機能強化では「Adobe Creative Cloud」との連携やアドビの人工知能と機械学習のフレームワークである「Adobe Sensei」を活用したコンテンツの制作ワークフローと配信の効率化を実現している。AEM 6.5が掲げるテーマは以下の3つだ
- Content Velocity:コンテンツの制作と管理ワークフローの改革
- Fluid Experiences:Webだけではないコンテンツ配信
- Experiences Intelligence:AIを活用したコンテンツ管理
Content Velocity:コンテンツの制作と管理ワークフローの改革
Velocityとは「速度」を意味する。コンテンツ制作と管理のワークフローを効率化し、コンテンツを市場に投入するまでのリードタイムを短縮することは重要な課題だ。また、チャネルによるタイムラグがないようにして一貫した顧客体験を実現する必要もある。パーソナライゼーションが求められる中で、企業がアセット(資産)として抱えるコンテンツの量は膨大になっていることも、ワークフロー改善を促すことにつながっている。
クリエイティブチームと配信を担うチームの連携を強化する新機能が「Adobe Asset Link」だ。「Adobe Photoshop」「Adobe Illustrator」「Adobe InDesign」といったAdobe Creative Cloudの各製品からAEMのリポジトリに直接アクセスして、アセットのプレビューや編集、検索、コレクションへのアクセス、メタデータの参照などが可能になる。
ローカルPCにインストールした専用のデスクトップアプリケーションからAEM上のアセットを操作することも可能になった。これにより、ローカルでアセットを編集してAEMヘアップロードしたり、閲覧や検索、プレビューなどの作業を効率化したりする。
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