新規獲得にもCriteo、「Wowma!」「an」の各運営企業マーケターが導入理由を語る:「Criteo Customer Acquisition」がサービス開始(1/2 ページ)
Criteoが新たに打ち出した新規見込み客獲得サービス「Criteo Customer Acquisition」の効能とは何か。日本における導入企業の担当者が語った。
Criteoは、「Criteo Customer Acquisition(以下、CCA)」の一般提供を2018年10月より開始した。これは1月に同社が打ち出したフルファネル製品戦略(関連記事:「Criteoが2018年の事業戦略を発表、『リタゲ』から『フルファネル』へサービス内容を拡張」)のうち、新規の見込み客を獲得するフェーズを担うもので、日本では6月よりクローズドβテストを進めてきた。
ミドルファネルにおけるダイナミックリターゲティング広告でEC事業者を中心に根強く支持されるCriteoが新規獲得においても発揮できる強みとは何か。10月10日にCriteoが開催した記者向けのセミナーにから探る。
月間14億以上のトランザクションデータから「買いそうな人」を発見
「Criteoにこれまで蓄積された膨大なデータから、ユーザーの購入や閲覧履歴、興味関心に基づき、新規見込み客獲得を可能にするソリューション」。Criteoの村木沙耶氏(APACプロダクト&ソリューション担当マネージャ)は、CCAの役割をこのように端的に説明する。
これまでCriteoといえばリターゲティング広告、つまり既に興味・関心が顕在化した見込み客または既存顧客に対し、個別のニーズにあった適切な商品・サービスを薦めてコンバージョンに向けた「もうひと押し」の広告キャンペーンを打つためのものであった。
これに対してCCAでは、自社に接触する機会のなかった人の中から、コンバージョンする可能性の高い人を予測してピンポイントでターゲティングする。そして、リターゲティング広告で磨き挙げたレコメンドエンジンで、その人が興味を持ちそうな情報を動的に配信するのだ。誰にどういう広告を表示させるかはAIが自動的に判断してくれる。課金体系はCPC(クリック単価)で、予算管理や効果予測がしやすいのも特徴だ。
配信の仕組み
配信の仕組みは、ターゲティングとスコアリング、レコメンドのパーソナライズという3ステップから成る。
ターゲットとなる人を特定するためにはまず、Criteoが保有するユーザーデータ(購入や閲覧の履歴)を匿名化した形で最大3カ月分収集し、分析する。具体的には、CCA対象の業種クライアントのWebサイトを最後に訪問してからどのくらい時間が経過しているか(どれくらいの関心の高さが最新の状況が分かる)、頻繁に閲覧しているWebサイトや商品カテゴリーは何か(興味関心が細かく分かる)といったことを見る。また、Criteoが配信面を保有するパブリッシャー側のデータ(どの配信面がクリックされているか)も含めて多面的に分析する。
配信面と広告主のWebサイトから潜在顧客の動向がつかめたら、そこから過去にコンバージョンしたユーザーを除外する。CCAは新規獲得を目的としたサービスだからだ。ハッシュ化したメールアドレスをリストにして、特定ユーザーを除外することも可能だ。そして、行動履歴を使って、新規見込み客を100点満点でスコアリングし、スコアの高いユーザーから優先的にターゲットとする。
レコメンドのパーソナライズでは、前2ステップで特定したユーザーに表示する広告を個別に生成する。ここでは過去3カ月のユーザーの行動データを収拾・分析し、興味関心を商品カテゴリーレベルで特定する。商品カテゴリーは、Criteoが使うデータフィードの仕様であるCriteo Performance Product Feed(CPPF)を参照する。「アパレル」などの大きな枠組みでなく「ドレス」「シューズ」といった具体的な商品カテゴリーを特定し、その中でも最も適切な商品をダイナミックバナーで表示する。
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