「Sitecore Experience Cloud」が実現するもの――データ統合、機械学習、マーケティングオートメーション:CMSと関連製品群を刷新(1/2 ページ)
新たに発表された「Sitecore Experience Cloud」で何が変わるのか。「Sitecore Digital Marketing Summit 2017」の講演からポイントを探る。
SitecoreはCMS(コンテンツ管理)を中心とした同社の製品群を統合する新ブランド「Sitecore Experience Cloud」を発表した。また、この発表の一環として、デジタル体験を演出するためのプラットフォーム「Sitecore Experience Platform (XP)」とWeb CMSの「Sitecore Experience Manager(XM)」の最新版として、それぞれバージョン9を公開した。
2017年11月8日に開催された「Sitecore Digital Marketing Summit 2017」では、Sitecore 最高マーケティング責任者(CMO) のスコット・アンダーソン氏とテクニカル エバンジェリストのジェイソン・セイントシア氏が登壇し、このSitecore Experience Cloudの特徴を語った。また、日本法人であるサイトコアのプリセールスマネージャー 原水真一氏が、同社の提唱するコンテクストマーケティングをSitecore Experience Cloudがいかに実現するのか、製品の観点から説明した。
「パーソナライゼーション」はなぜ期待外れに終わるのか
スマートフォンが浸透し、人々は常にインターネットに接続しているのが当たり前になった。冒頭、アンダーソン氏は、Sitecoreが4500人の消費者と450のブランドを対象に実施した調査結果を引用した。
これによると、人々がデバイスを触っている時間は1日10〜12時間に上り、スピードと利便性、セキュリティ、そしてパーソナライゼーションが重要と考えている。しかし、10人に6人はブランドのもたらす体験が期待外れだったことがあると考えている。そして、良くない体験だった場合に、カスタマーサービスに訴えたりソーシャルメディアに書き込みをするなど、何らかの対応策を取ると考えている人が実に93%を占める。一方で、良い体験ができた場合は75%の人がロイヤリティーの向上を感じるという。
カスタマージャーニーが複雑化する中、ブランドは購買に近づく一瞬(マイクロモーメント)を的確に捉え、影響を与えなくてはならない。だが、実際には52%のブランドは適切なパーソナライゼーションを実行できていない。そもそも効果指標を設定できている企業は25%に満たない。見るべきデータが膨大に存在し、必要とされるテクノロジーも多過ぎて、とても理解が追い付かないのだ。
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