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「ラストクリック依存」はなぜ失敗するのか?【連載】フルファネルで考える広告運用 第1回(1/2 ページ)

CPA(顧客獲得単価)の最適化という目標は達成できているのに肝心の収益には貢献していない――そんな広告運用の悩みを抱えていませんか?

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 アドテクノロジーは今日のマーケティング活動を支える重要な存在です。しかしながら、進化のスピードが速く機能がますます細分化する中で、仕組みや効果への理解を深めるのが困難な分野でもあります。難しい用語が頭に入らず四苦八苦している矢先に、さらに新たなソリューションが次々に登場するというのが実態で、何から手をつけていいのか分からないという悩みもよく聞きます。

 この連載では4回にわたり、企業の宣伝部やマーケティング部門でインターネット広告の運用に取り組む人に向けて、インターネット広告運用の全体像を把握し、着実に成果を挙げるための基本的な考え方をお伝えしたいと思います。

日常的にクリックをするユーザーは1割にも満たない

 マーケターの皆さんの多くが、マーケティング活動の効果測定で重視する数字の1つに「クリック数」を挙げると思います。クリック数はインターネット広告の黎明期から採用されている伝統的な指標であり、当社AdRollが実施した調査(関連記事)でも、57%のマーケターが広告効果指標としてクリック数を重視していると回答しています。しかし、インターネットユーザーのうち「日常的にクリックする人」の割合は1割にも満たないのです。


「ネット広告をクリックするか」という質問に「よくクリックする」と回答した人はわずか6.4%(右)(出典:AdRoll「消費者リサーチ2017」)《クリックで拡大》

 これはつまり、ラストクリックを効果測定の指標に設定したマーケティング活動は、インターネットユーザーの9割以上を対象から除外しているということを意味します。

 このような状況では、広告が新規顧客流入のきっかけとして十分な役割を発揮しないことは言うまでもありません。それどころか、中長期的に見ると、ビジネスの成長を徐々に鈍化させてしまうことにさえなりかねません。クリックという行動に向かって広告キャンペーン(施策)を最適化し続けることで、結果的にマーケティングメッセージの届く範囲がどんどん狭くなるという悪循環に陥るからです。

 すでにある程度の期間インターネット広告を活用してきたマーケターであれば、インターネット広告の投資対効果が徐々に落ちてきている、あるいは目標とするKPIを達成しているにもかかわらず収益向上につながっていないという実感を持っている人も多いのではないでしょうか。売り上げが上がらないことはもちろん問題ですが、新規顧客の拡大が頭打ちになっているのでは、そもそも何のために広告を打っているのかということになります。

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