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製造業のための“すべらない”コンテンツマーケティング、成果を挙げるポイントは?セミナーレポート(1/2 ページ)

2017年5月18日、アイティメディアとALUHAが共催した「製造業におけるコンテンツマーケティング」をテーマにしたセミナーの内容をダイジェストで紹介する。

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 アイティメディアは2017年5月18日、ALUHAと共同で「製造業におけるコンテンツマーケティング」をテーマとするセミナーを開催した。

 B2Bの領域において情報収集から商品選定、決定に至る顧客の一連の購買活動が変化し、営業やマーケティングの在り方にも変化が求められていることは、今や共通認識となっているだろう。リード(見込み客)を獲得し、育成しながら案件化していくというプロセスを効率的に運用していくことがマーケティング部門に求められる中、そのキーとなるのがコンテンツだ。適切なターゲットに適切なタイミングで適切なコンテンツを届けることは、今日のB2Bマーケターにとって重要なミッションといえる。

 限られたリソースを有効に使ってコンテンツマーケティングで成果を挙げるポイントはどこにあるのか。今回は、製造業に特化したリードジェネレーションおよびマーケティング支援業務に従事するアイティメディア リード研究所の山岡大介と、石川県金沢市を地盤にB2Bマーケティングのコンサルティング事業を展開するALUHA 代表取締役社長の荻野永策氏が「製造業におけるコンテンツマーケティング」について語った。本稿ではその概要を紹介する。


B2Bにおけるコンテンツマーケティングの重要性

 AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、再生可能エネルギーに自動車の自動運転といった技術の発展とともに、製造業においても新たな市場が生まれている。実際、企業のIT投資は増加傾向にあり、今やIT投資は企業の全設備投資の2割を超えるまでになっている(総務省「平成27年版情報通信白書」より)。一方で、「B2B領域では顧客の約6割が営業担当者を呼ぶ前に購入製品を決めている」という調査結果が物語るように、顧客がWeb上で情報収集を始める段階から認知を獲得しておかなければ、購買決定時の選択肢に入ることすらできなくなってしまうのだ。


アイティメディアの山岡大介

 こうした背景から、アイティメディアでは2016年4月に製造業向けの製品・サービス情報サイト「TechFactory」を立ち上げた。山岡は開設当初からメディア運営や製造業企業のマーケティング支援を担っている。

 TechFactoryは会員制サイトとなっており、現在の会員数は10万人。「MONOist(モノイスト)」などアイティメディアが運営する製造業4メディア(月間540万PV/142万UB、2017年5月実績)からの誘導も図っている。TechFactoryでは、製造業専門のWebメディアとして専門性の高いコンテンツを提供するとともに、クラウドを通じてオンデマンドでリード情報を提供するなど、利便性の高いサービス提供を進めている。

 リードジェネレーションにおいて、コンテンツの質と同様に重要になるのが、そのコンテンツを配信するターゲットの選定だ。当然のことながら、ターゲットによって送るべきコンテンツも変わる。ターゲットに合ったコンテンツを届けるためには

  1. ターゲットは明確か
  2. マーケティング部門と営業部門でターゲット像は共有されているか
  3. 獲得したリードの選定、育成、フォロー体制があるか

を、コンテンツ制作に取り掛かる前に明確にしておく必要があると山岡は語る。

 ターゲットが明確になったら、自社の製品ジャンルのトレンド性や市場規模、ターゲットの購買プロセス、情報の希少性といった観点からコンテンツを作っていく。この際、ぜひ押さえておきたいのが検索ワードだ。

 「自社の検索流入キーワードとは、すなわち『ターゲットに響くキーワード』であり、ターゲットが抱える課題を知る手掛かりとなる」(山岡)。ここで想定される課題に応えるコンテンツを作成し、サイト内でよく読まれる場所に配置する。そして、それぞれの情報配信タイミングで閲覧者の個人情報を取得することが、案件化できるリード獲得につながっていくのだ。

商談につながるコンテンツ

 コンテンツマーケティングを成功に導くためには、マーケティング部門の関わりが重要となる。従来、営業プロセスにおけるマーケティング部門の役割は集客がメインだったが、これからは集客にとどまらず、かつては営業担当者がやっていたリードの選別や育成もマーケターが手掛ける必要がある。営業担当者には案件化したリードを渡し、商談の部分を担ってもらうのだ。B2Bの営業プロセスにおいて、マーケティング部門の役割が今後ますます重要になってくることは、こうした側面からも見て取れる。

 ここでよく指摘されるのが、マーケティング部門と営業部門の温度差、つまりリードジェンについての考え方の違いだ。マーケティング部門はリード獲得数ばかりに目が行きがちだが、実際に営業部門が求めるのは案件数である。追い切れないリード、商談につながるか不確実なリードを渡されても営業担当者はいい顔をしない。山岡は、「このギャップを埋め、狙うべきターゲットを明確にして、『獲得リードからの商談発生率』という共通のKPIを持つ必要がある」と指摘する。

 最後に山岡は「マーケティング部門の存在感が増しマーケターに求められる役割が増える今こそ、外部のリソースやプロの力をうまく使ってほしい。TechFactoryはエンジニアの課題とそれを解決する企業が『コンテンツ』によって出合い、新たな製品やサービスが生まれていく場所。豊富なオーディエンスデータやコンテンツ制作のノウハウを活用してほしい」とアドバイスを送った。

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